家庭教師をしていると「国語の点数が取れないんです」という相談が結構多いです。
国語の点数が取れない原因は2つあって、
- 読むのが遅い
- 解き方のセオリーを知らない
です。
この記事では、特に「1.読むのが遅い」ことを解決する方法を話したいと思います。
読むのが遅いことにも細かく原因があって、単純に読み慣れていない場合、読めない漢字が多い場合、語彙力が足りない場合などあります。
それらを一度に解決できる方法が、問題文を音読することです。
生徒に音読させると、読み慣れることに繋がるのはもちろん、読めない漢字や知らない語句も明らかになるので、逐一教えることができます。
だからと言って、単純に問題文の初めから終わりまで生徒に音読させると、集中力が続かないことが多いです。途中でうとうとしてしまったり、息切れして頭に文章が入ってこなくなります。
なので、私のオススメは段落ごとや一文ごとなど、ある程度区切って、大人と交互に音読することです。
どれぐらいの分量を交互に音読するかは、生徒のレベル次第ですが、まずは一文ずつ交互に音読することをオススメします。
メリット
①先生の読み方に引き寄せることができる
読むスピードが遅い生徒は、語句の区切れがわかっていないことがしばしば。よくつっかえたり、本来は区切らないところで一息入れて読んだりします。
なので模範的な読み方を何度も聞かせる必要があります。生徒が読む直前に先生の模範的な読み方を聞く。これを頻繁に繰り返すことで、少しずつですが読み方が自然になっていきます。
②先生が読んでいる間も集中力を保つことができる
生徒は自分が音読している時はもちろん文章に集中していますが、先生が読んでいる時はぼーっとしちゃうことがよくあります。先生が1つの段落といった長い分量を読んでいると、生徒にとっては、その間は休憩時間という認識になってしまうようです。
先生が音読している間も、当然しっかり文章を追ってほしいですよね。先生の音読を聞くことは、黙読の訓練になるし、先生の読み方から、語句の区切りを学びとったり、意味がわからない語句があったら質問したりしてほしいのです。
1文ずつ交互に読めば、自分が読み終わった後、またすぐに自分が読む番がくるため、集中力を維持せざるをえません。
③わからない語句の意味を、良いタイミングで教えることができる。
生徒が音読していると、意味をわかっていない語句がなんとなくわかります。読み方がぎこちなくなるからです。でも、音読をさえぎって、「この語句の意味知ってる?」と逐一聞くのは生徒のリズムを崩すのでためらわれます。
しかし、一文ずつ交互に読むのであれば、一文読み終えたら一区切りなので、生徒のリズムを崩すことなく逐一語句の意味を確認できます。
語句の意味だけでなく、文意自体がわかっていないときは解説しますし、時には感想を聞くこともあります。このように理解を促すコミュニケーションを密に取ることで、理解の向上と集中力の維持を図ります。
素材の選び方
通常は塾の国語のテキストの問題や、テスト・模試の国語の問題を読めば良いと思います。
ただ、プラスアルファで素材を見つけたい場合や、塾の問題が難しすぎると感じる場合は、銀本という、各年の主要学校の入試問題を掲載している参考書の中から探すのが良いと思います。
音読すべき素材には条件がいくつかあって
- 生徒のレベルにあった文章
- 入試に出るような文章
- 生徒が興味を持てる文章
です。
銀本であれば、入試問題ですので入試に出やすい文章が集まっていることはもちろん、色々なレベルの学校の文章が載っているので、ほぼ確実にレベルにあっていてかつ興味の持てる文章を見つけることができます。
銀本とはこれです↓
2020年度受験用 中学入学試験問題集 国語編 男子・共学校 (中学入学試験問題集シリーズ)
読む分量について
毎日、もしくは隔日で取り組める量にしましょう。多くても1日あたり、大問2つ程度の文章量で良いと思います。
1度に大量に読んでも、集中力が切れてしまって効果はあまり上がらないでしょう。
「普段は2日1度、大問1つ音読する。でも今日は調子が良いので、大問2つ音読してみる」みたいに集中力が持続する量を見極めてください。
目標とその後
一文交互読みは、詰まりなくスムーズに読めるようになればオッケーです。まずはそのあたりを目標に。その後は、400字程度の文章をまとめて読む練習をすれば良いと思います。1分間で読めるようになれば、読むスピードは十分です。
以上の方法を実践することで、模試で国語はいつも時間切れだった生徒が、時間内に終わるようになったということが何度もあります。
読むスピードが遅くて何をしたら良いかわからないという方は一度お試しあれ。
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