「国語の読解問題は、まず文章を全部読むべきですか?」
と保護者の方に聞かれることが多いです。
まず文章を通しで読むべし
私の答えはYesです。
文章を全て読み、説明文であればテーマと主張とその主張の根拠を把握し、また、物語文であれば登場人物の心情推移を把握した上で問いにとりかかるのが基本です。
記号問題では、頭の中に大まかな流れが入っていれば即座に選んだり、切り捨てたりできる選択肢も多いです。
また、抜き出しや記述問題では、傍線部と同じ内容を言っている箇所が重大な手がかりとなることが多いですが、同じ内容を繰り返している箇所を何となく把握できているので、「そういえば別のところでも同じこと言ってたな・・」と重大な根拠の抜けが少なくなります。また、根拠となる場所を見つけるスピードが上がります。
さらに、最後の方の問いで聞かれがちな、文章全体のテーマや流れを問う問題の得点率が高くなります。
と、このように良いことづくめなのです。是非通しで読むべきです。
ではどうして、通しで読まないのか。それは後述していますが、通しで読んでから解くと時間が足りなくなるからです。しかし、ある程度読むスピードが上がれば、通しで読んでから解いた方が時間がかかりません。記号選択問題で迷うことが少なくなったり、抜き出す場所、根拠となる場所を早く見つけられるようになるからです。
傍線部の近辺だけ読む、では壁にぶち当たる
冒頭の質問をされる保護者の子供は、文章を読まずに問いをみて、問いで聞かれている傍線部の近辺のみを読んで答えるということを行なっています。
傍線部の近辺のみから、全体の文章のテーマ、主張、流れを把握することは困難です。ですので、文章のテーマや主張を把握していないと答えられない問題を落とすことになります。
また、傍線部から離れた場所に根拠がある問題も間違うことになります。また記号問題では、文章には書いてないけど、常識的に正しそうな答えを選んで間違ってしまうこともしばしば。
ただ、そういう問題よりも、傍線部近辺のみから答えを作ることができる問題の方が多いので、致命的な点数になってない場合が多いです。特に学年が低いうちは、傍線部近辺のみ読むだけでも通じることが多いです。
しかし、超えられない壁を感じているはず。いまいち点数が伸びないし安定もしないと。そのやり方がハマる時はあります。傍線部近辺のみ読めばほとんどの問いが解けるというテストもたまにはあるでしょう。でも安定して高得点を取れるわけではないでしょう。それはやはり通しで読んでないからです。
傍線部のみを見てそれなりの点数を取れる生徒は、元々読解力は高いので、通しで読んでから解くようになるとグッと点数が上がります。
本人も、通しで読めば点数がさらに上がるかも、と薄々感じている場合も多いです。ではなぜ読まないかというと、時間がないから。通しで読んでいると時間がなくなって、全問解けなくなるので通しで読んでいないということです。
であれば、速く読む訓練をしなければ今の壁を突破することはできません。大問1問程度のまとまった文章を、1分400文字程度のペースで読み切る訓練を日々行いましょう。
傍線部に来たら問いを解く、でも壁にぶち当たる。
他にも、壁に当たりがちな解き方として、文章を頭から読むが、傍線部にきたら、その問いを解くという生徒もいます。
これもある程度までは点数が取れます。傍線部の近辺と、傍線部までの文章で答えられる問題が多いからです。ただ、当然ですが、傍線部以降の文章や、全体の主張や流れを問う問題は落としがちになります。
(例外はあります。接続詞の空欄補充や語句の意味選択は読みながらやるべきです。空欄や傍線部の前後のみを見れば解けますから。)
こういう、傍線部に来たら問いを解く生徒が、なぜこういう解き方をするかというと、全部読んだ後に再度傍線部に立ち戻って文章を確認する時間がもったいないからです。
ですので、対策は傍線部近辺のみを読む生徒と同様に、読むスピードをあげよう、読む訓練を日々行おう、ということになります。
通しで読むときに意識すること
あまり読み慣れていないと、通しで読んだ後に、結局この文章は何が言いたかったんだろう、と大意がわからないままになってしまうことがあります。私自身も昔はそうでした。
これを防ぐには、常になぜだろう、なぜだろうと思い、その答えを探すつもりで読んでいくと良いです。
文章は読者に疑問を抱かせ、文章に引き込み、答えを提示し、また次の疑問を抱かせる、という流れで書かれている場合が多いです。筆者が自分の考えを述べたり、登場人物の気持ちが変化したりするたびに、これってなぜだろう?と思い、「さぁ答えがくるぞ、くるぞ、、」という気持ちで読み進めていると、答えが来た時に「きたー!」と盛り上がり、印象が残ります。
そして、自分が疑問に思ったことは問いで聞かれることも多いのです。なので、問いを解く時に、あ〜これはあの疑問の答えを聞いているんだな、と素早く答えを見つけることにも繋がります。
ということで、是非通しで読んでから解きましょう。
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