孟母三遷の教えという故事成語があります。
中国に昔、有名な儒学者の孟子という方がいて、孟子の母親が良い教育環境を求めて3度住居を変えたということが由来です。
子供の教育には環境が重要だという教えですね。
私の親は、まさに孟母三遷の教えを実践していました。より良い教育環境を求めて何回か引っ越しをしました。
そんな私はある日気づきました。地域が子供に与える影響の良し悪しは、挨拶の仕方でわかると。
それでは私の住んだ街をご紹介。
①兵庫県尼崎市 挨拶:ガン飛ばし
私が15才ごろまで育った都市は、兵庫県の尼崎市といい、全国でも治安の悪い地域として有名でした。
万引きする友達はざらにいて、成人式では喧嘩で血しぶきが舞い、ニュースで全国を騒がせることもしばしば。
ちょっと血の気の多い方がたくさんいらっしゃいます。
ある日友達のマンションに遊びにいくと、一階ホールで若い男性と目が合いました。すると「何メンチ切っとんねん!」と。メンチ切るとは、「ガン飛ばす(睨みつける)」という意味です。関西弁。
(あなたがこちらを凝視するから目が合ってしまっただけやん!)
と思いましたが、とりあえず「すみません」と謝り、なんとかやり過ごしました。
道端でも目が合ってしまうと絡まれる恐れがあるので、出来るだけ男性の目は見ないよう歩いていました。
挨拶がわりのガン飛ばし。そんな場所で歩いていると度胸は鍛えられます。
父母は度胸はもう良いから、もう少し品行方正に育てたいと思い、引っ越しを決断しました。
ちなみに尼崎市は、今では駅前開発が行われ関西で住みやすい街1位となっており、私が幼少の頃とは雰囲気が全然違うようです。
②兵庫県西宮市 挨拶:こんにちは
高校の3年間は西宮市で過ごしました。甲子園球場のある地域です。
そんな西宮市に引っ越して直後、衝撃を受けました。まっすぐ誰の目を見ても絡まれない!なんて平和なんだ。
友人のマンションに遊びに行くと、見ず知らずの人から「こんにちは〜」「さようなら〜」の挨拶が。
まじか、赤の他人に挨拶するのか。気持ちいい!挨拶はこんなに気持ち良いものなのか!と新鮮な気持ちでした。「こんにちは」のその一言だけでお互いがほんの少し分かり合えたような気分になります。
それ以降、私も建物内で出会った人には、赤の他人でも挨拶するようになりました。いい影響をもらいました。
すぐに話の合う友人もできました。今でも時々会って近況報告する仲です。
私は満足でしたが、父母にとってはまだ十分ではないらしかったです。車で数分の場所に盛り場があり、子供には目に触れさせたくない施設があるのが嫌なようでした。
ということで、理想の地を求めてさらに引っ越しをしました。
③兵庫県宝塚市 挨拶:ごきげんよう
私が大学に入ってからは宝塚市に住みました。そう、近くに宝塚歌劇団がある場所です。駅から少し歩くと閑静な住宅街で、武庫川という川の中流に面し、鴨が泳いでいたりするのどかな場所です。
私は普段は東京にいましたが、長期休暇になると1ヶ月以上帰省することがよくあったので、両親は住環境に気を使ったようです。
そこでもまた衝撃を受けました。私が犬の散歩をしていると、老夫婦が挨拶をしてくれました。
「ごきげんよう」
ごきげんよう!?現実で言う人いるんだ・・・。親にどういう教育をされたのか(良い意味)
目を合わせるとニコッと爽やかな会釈を返してくれます。後光が差しているようです。
父親も気品溢れる人々に驚いていました。そして宝塚に落ち着くことに決めたのでした。
その結果私の言動も気品溢れるものに・・・はなっていないですが、出来るだけ上品になりたいとは思ったものです。
以上、住む地域の挨拶で、子供に与える影響がわかるという話でした。
今では尼崎市に住んだのも勉強になったと思っています。世の中には色々な人がいるというのを肌感覚で学べました。ガン飛ばして敵ばかり作る人、ごきげんようの挨拶だけでファンを作る人、どっちが得かは明々白々だなと。
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