(この記事は2021年5月26日に私yokkoがtwitterのスペースにてお話しした内容を、文字に起こし、読みやすいように多少編集したものです。最下部に、紹介したテキストをリンクとともにまとめてあります)
初めましてyokkoです。今日のテーマはよく伸びた小6が偏差値別に何をしたかです。
今皆さん毎週の塾の授業・課題の消化に追われていると思います。夏休みまではそれで良くて、毎週100%消化を目指して頑張っていただきたいと思います。
ですが夏から人によってやるべきことが変わってくるので、夏休み以降、過去の生徒がどういうことをしたかを中心にお話しします。
偏差値別に3つの事例をお話ししますが、
3つともに共通して言えること、成績を伸ばすために共通して必要なことは、
- 注力分野を決定する
- そこを攻めるのに適切なテキストを選定する
- 計画を立て確実に消化させる
この3つをしっかりやることが大事です。ですので、この3点を重点的に話していこうと思います。
あと、やると決めたテキストは完璧に仕上げることも大事です。完璧に仕上げるというのは、最低3周はするということです。1周目に間違えた問題のみ2周目で解いていき、2周目でも間違えた問題を3周目で解きます。間違っても毎周全問解かないでください。時間が足りなくなります。
①ボリュームゾーンの生徒
それでは、まずはボリュームゾーンだった子の話から。
その子はこんな感じの子でした。
- 地元の小規模塾に通塾
- 夏前は四谷偏差値で4教科の偏差値が45程度
- 暗記が得意なので、社会の成績が一番良く、偏差値50
- 次に良いのは国語で偏差値50弱
- 算数・理科が今一つで偏差値40~45程度
- 第一志望の学校の偏差値が60くらい、第二志望が60弱
現状が偏差値45で目標が60ですから、かなりチャレンジングではありました。ただ、その子は色々好材料が揃っていて、例えば国語の偏差値が45以上あること。国語の偏差値がこれ以下だと他の教科にも悪影響が出ることが多いです。問題文の読み間違え、理解し間違えが頻発します。
①-1 注力分野の決定
まず注力分野の決定ですが、算数と理科にしました。
算数・理科は教えていて、理解力あるなと、少なくとも偏差値55はいくでしょ、という素質は感じたんですが、現実はそうなってない。で、なんでかなと思ったんですけど、塾で扱っている教材がやや簡単で、完璧に仕上げても四谷偏差値50くらいまでしか到達できない難易度でした。なので60を目指すには1段階難しい問題演習をする必要ありました。
ちなみに、こんな風に塾の教材がレベルに合っていないというのはよくあることです。とは言っても、大手塾の場合だと問題を取捨選択すればいいので、今取り組んでいる問題のレベルが合ってないなと思ったら、塾の先生にやるべき問題を相談するといいですね。
その子の話に戻りますが、算数・理科はまだまだ伸びそうだと。あと、社会も伸びるなと思いました。確かに教えていて暗記力がかなりいいんですね。1ヶ月前のことでも高確率で覚えていました。それなのに社会の偏差値50というのは素質の割に低い数値で、社会は良い教材を与えるだけで伸びる予感がありました。
国語もまだ伸びそうな感じはしましたが、他の科目に比べると伸び代はそこまで大きくなさそう。
ということで、僕が教える注力分野は算数と理科の応用にして、社会は教材を指示して計画管理するのみにとどめました。
①-2 テキストの選定
算数について
まずは算数について詳細に話していきます。
その時使っていた塾のテキストが「中学受験新演習」、夏休み用教材としては「コンプリーション」というものでした。四谷偏差値50くらいを目指すのであれば良いテキスト。
でも偏差値60には物足りない。それでどうしようかなと思ったんですけど、コンプリーションはコンパクトに重要な基礎問題がまとめられているので、これを完璧に仕上げて基礎を固めてから応用問題集に取り掛かることにしました。
応用問題集としては市販の「下克上算数の難関校受験編」と四谷の「予習シリーズ難関校対策編」をやりました。下克上算数は応用レベルの典型題をマスターするためにやりました。この問題集は応用レベルの典型題をいろんな分野からランダムに出してくれるので、瞬発力が高まります。
このランダム練習が結構大事で、どの分野の問題かわからない状態で適切な解法を選ぶのが入試とか模試なので、その実践的な訓練をたくさん積ませたかったんです。
また四谷偏差値60くらいの学校になると、一見典型的ではないけれど、典型題の知識を駆使すれば解けるような、思考力をためす問題も出てくるので、そのために予習シリーズの難関校対策編をやりました。
もちろん計算問題は毎日やりました。1日6問ほど。市販の出る順過去問計算と、日能研が出しているマスター1095題というものを使いました。
ということで、算数は基礎対策としてはコンプリーション、応用対策としては下克上と予習シリーズ難関校編をやると決めました。
理科について
次は理科ですが、理科も塾では新演習とコンプリーションを使っていました。どうしようかと思ったんですが、そちらはほぼやらなかったです。というのも、僕が指示したテキストにその内容は含まれているので、二度手間になるからです。
僕が指示したテキストというのは、暗記分野は「コアプラス」 、思考分野は「魔法ワザ理科計算問題」と早稲アカの「マスターテキスト演習編standard」でした。
暗記分野はコアプラスをやっていれば四谷偏差値60くらいまでは十分通用します。
思考分野は魔法ワザが頻出分野を効率よく押さえるのには良いです。解説も丁寧なので、自学自習できる子も多いと思います。こちらは皆さんご存知の個別指導塾SS1に所属されている辻先生の著書です。辻先生ありがとうございます。
魔法ワザが終わったら、マスターテキスト演習編standardをやる計画にしました。この本は、応用範囲も含めて典型問題を網羅してくれています。魔法ワザで手早く一通り大事なところ押さえて概観を掴み、マスターテキスト演習編で典型問題を全て抑えるという作戦でした。
社会について
最後に社会ですが、社会は基本的に四科のまとめをやり、公民分野のみコアプラスもやりました。四科のまとめには載っていないけどコアプラスには載っている知識はあるし、その逆もあるので、両方やった方が良いのですが、そんな時間はないので、量が少ない公民分野のみ両方やりました。
以上がやると決めたテキストです。
基本的には僕が指示したテキストは全て3周、間に合わなかったものでも2周はしています。
①-3 計画を立て、確実に消化
塾のこともやりつつ、僕が指示した勉強もこれだけやるというのは、普通だと超大変なのですが、その子が通っていた小規模塾は宿題の量が少なかったのが幸いし、並行できました。
1日の塾以外の勉強時間としては、平日は2.5時間。塾の宿題を30分、僕の宿題を2時間程。土日は8時間。塾の宿題を1時間、僕の宿題を7時間程、という感じです。
以上のように、取り組むテキストや量を決めましたが、一番大事なのは実際に勉強させることです。その点、その子は管理welcomeな子で、細かく指示して欲しい、指示してくれたらやるという本人の強い希望があったので、各曜日にどのテキストをどのページまでやるかという計画を毎週作って渡しました。もちろんお母様からの日々の叱咤激励や可愛がりもあって、それで割と計画通り進められました。
という感じで勉強を進めて、夏前で偏差値46でしたが、秋で偏差値50、冬で偏差値55くらいになって、最終的には第二志望の偏差値60弱の学校に合格しました。
これは終始順調だった例。
②ボリュームゾーンより偏差値が低い生徒
次に話すのは、ボリュームゾーンより偏差値が低かった子の話。この子はめちゃめちゃ苦労しました。
- 小6夏前の偏差値が首都圏模試で4教科40くらい(首都模試の偏差値は四谷偏差値よりも大体10くらい高く出るので、四谷偏差値だと30くらいに相当)
- 目標の学校は首都模試で偏差値45くらい。現状40で目標45なので妥当な目標設定
- 塾は小4〜5あたりで四谷大塚に通っていたがやめた(ついていけなくなった)
- 僕が教えた時は塾なし家庭教師オンリーという状態
お母様はかなりネガティブで、僕に依頼してこられた時点で既に半ば諦めていて、
「こんな成績じゃどこにもいけないですよね、でも小3から頑張ってきたので、最後まで頑張れたっていう事実だけできればいいんです。」
みたいなことおっしゃっていました。
「いや5ぐらいなら全然上がる可能性ありますから!もう少し希望を持ってください。」
と言ってもあまり響かず、でも家庭教師を頼むということは、本当は希望は捨ててないんだろうなと思って、僕は前向きに頑張ろうと思いました。
②-0 勉強への姿勢を荒療治
僕が教え始める前にも家庭教師がいたらしいのですが、この子がかなり珍しい子で、その家庭教師に断られたと。そんなことある!?と思ったのですけど、その家庭教師に「私の手にはおえません。すみません。」と言われたらしいです。
それでどんな破茶滅茶な子なんだろうと思って1~2週間見ていたんですが、すごい良い子なんですよ。確かに理解力は優れているとは言えないけれど、頑張ろうとはしてくれるので、断る理由ないでしょって思ってたんです。ですが少したって、その子が段々僕に慣れてくると、断られた理由が見えてきました。
勉強への姿勢が不真面目すぎました。例えば、明らかにわかってるのに、「先生、分からな〜い」と言う。生徒に分からないといわれると、家庭教師としてはそこを解消してあげないと先に進めないので、全然授業が進まない。授業が進まなくなるとわかっていて、「先生、分からな〜い」と言う。
僕としてもお母様に報告しづらいわけです。「お嬢様は本当にわかっていることでも分からないと言って授業を妨害します」なんて報告しても、お母様からすれば「この子は本当に分からないんでしっかり教えてください」となるのは目に見えていますから。
加えて、その子は宿題を高確率で写しまくるんですね。とにかく写しまくる。確認テストをすれば全然正解しないので、写しまくっているのは明らかなのですが、これも証拠がなくて報告しづらい。
こういうことが毎回のように起きて、このままだと成績があがるわけないので、まずはこの勉強への態度を直さないとどうしようもないと思いました。そういう態度を悪びれもせずやっているので、ちょっとやそっとで直るものじゃないと考え、お母様と作戦会議しようと思いました。
そこで、すごく報告しづらかったのですがお母様に言ったんですよ。
「お嬢様は宿題の答えを写してる可能性がかなり高いです。宿題はほぼ正解しているのに、確認テストではボロボロなんです。ひとまず答えは絶対に見つからない場所に隠してください。」と。
すると、お母様からの返事は予想通り「娘に聞いたところ、答えは写してないそうです。」と。
そりゃそうでしょう!はい答え写しましたって言うわけないですYO!?って盛大に突っ込みたくなりましたが、抑えました。
お母様は付け加えて、こう言うんです。
「答えは元々娘の知らない場所に隠してあるので、答えを見ている可能性はほぼないです。」と。
その場所がバレてるんですYO!ってめちゃめちゃ言いたかったのですが、抑えて、
「そうですか、お嬢様を疑ってしまいすみませんでした。」と答えました。
はたから聞くと、めちゃめちゃツッコミたくなると思うんですけど、お子様が答えを写しているようですと言うと、多くのご家庭で同じような問答になります。
それで僕は、これは証拠をつかまないとどうしようもないなと思うわけです。
でも報告してから少し変化があって、宿題の正答率が、がくんと下がったんですね。そのかわり確認テストの正答率が急上昇しました。
やっと真面目にやりだしたと思いますか?そうではなくて、宿題は答えを見ているけどわざと所々バツにして、確認テストではカンニングしているのです。
宿題の正答率が高いと、答えを写したと疑われるんだと学んで、わざと宿題の正答率を下げたわけです。巧妙ですよね。
でも確認テストでカンニングしているのは丸わかりなんです。僕が隣で見ていますから。
ただ、割と巧妙にやっていて、非常にこそこそと不自然な動きをしているのですが、なかなか証拠を掴ませない。でもジーッと見ているとついにカンニングぺーパーを見つけました。筆箱の中に小さなカンニングペーパーを入れていて、それをチラチラ見ていました。
やっと証拠を掴んだので、その紙をすかさず取り上げてカンニングしているね、と。宿題の答えも写してるよね、だって答えがないとカンニングペーパー作れないからねと、その子に伝え、すぐにお母様を呼んで言いました。
「お嬢様がカンニングをしていました。答えの場所もバレています」と。
するとお母様は絶句して、号泣したんですね。
「もう受験なんてやめよう、こんな卑怯なことをする子になっていたなんて・・・。こんな卑怯なことするようになるんだったら受験なんてしないほうが良い。本当にもう辞めよう」って、僕と子供がいる前でボロボロ泣きながら子供に言うんですね。
お母様は続けて「お母さんは別に受験なんてしなくて良いと思ってる。あなたが私立に行きたいと言うからサポートしなきゃと思ってるだけで、お母さん自身としては公立でも全然良いんだよ」とおっしゃいました。
僕からはその子にやや厳しめなことを言いました。
「〇〇ちゃんが、宿題と確認テスト、そして授業も不正なく取り組んでくれるようにならないと、絶対に合格できない。そこは保証する。不正をやめないんだったら今すぐに受験勉強をやめて遊んだ方が良いよ。それが悪いことだとは思わないから。だって普通の小学生はみんな遊んでるんだから。そういうものを犠牲にしてまで頑張りたいのかっていうのをよく考えて」と。
その後、お父様も含めた家族会議が開かれて、僕は一旦帰ったのですが、しばらくしてメールがあって、内容としては「受験続けます。本人も心を入れ替えて二度と不正しないと言っています」というものでした。
実際は謝罪と、後悔と、絶望が混じっためちゃめちゃ長いメールでしたが、まとめるとそんな感じでした。
そこからですね、その子の勉強への姿勢がガラリと変わりました。授業はちゃんと聞いてくれるし、宿題の不正もなくなりました。
親の本気の涙って効くんだなぁと思いましたね。
これでやっと勉強する準備が整ったと。
②-1 注力分野の決定
ということで、ここから注力分野の話ですけど、この子で力を入れたのは国語の読解と算数基礎でした。全教科伸び代ありまくりだったのですが、時間も限られているので、配点の高い国算に重点を置くことにしました。
②-2,3 テキストの選定、計画は遅れつつも目標クリア
国語について
国語は結構伸びる素養を感じました。というのも、語彙が身についていましたから。国語の能力って大きく3段構成になっていると考えていて、土台が語彙力ですね。その上に解法のセオリーというものがあって、一番上が書く力だと思っています。
その子は、土台の語彙力は受験生標準レベル程度はあったので、十分なスピードで文章を読めていたし、ちょっと難しい一文を見つけて、ここどういう意味かわかる?と聞けば、大きくは外さない。
でも点数はそんなによくなくて一見不思議な感じです。これは解法のセオリーを教えればクイっと伸びるなと感じました。解法のセオリーってなんだ??という感じだと思いますが、次の2冊を読めば大体書いてくれています。「受験国語の読解テクニック」というものと「田代式中学受験国語の神技」ですね。子供が読んで身につけるものではなくて、親が読んで子供に教えるためのものです。
実際に演習しながら解法を身につけさせると、2ヶ月くらいで偏差値が5程度伸びました。この演習は「受験国語の読解テクニック」の中に掲載されている問題と、あとはサピックスの「国語の要読解編」という、サピックス的には小5向けの教材を使いました。これが国語が苦手な小6にはとてもちょうど良い教材なんです。文章の難易度も設問の難易度もちょうどいいし、設問のクオリティも高い。小6で国語の四谷偏差値が45以下の子は取り組んでみると良いと思います。
ちなみにですが、その子がそこそこ語彙力があったのは読書習慣があったからだと思います。月に1冊ぐらいは読んでいました。小学生向けの偉人の伝記とか小説など。
またちなみにですが、語彙力が乏しい子の国語の成績を伸ばすのには時間がかかります。語彙力って身につくのに時間がかかるんです。重要単語集を買って覚えて終了!ではなくて、文章を読んでいて、知らない単語に出会ったら意味を聞くなり調べるなりして理解する、ということを地道に繰り返して身につくものです。
仮に語彙のために読書し始めたとして、3ヶ月程度で諦めないでください。半年は見て、中々成果が出なくても地道に続けてください。1日15分とかでいいと思います。文章を読んで、分からない言葉をいくつか選んで意味を調べて理解する。いつか成果が出るのは確実です。
で、話を戻しますと、国語は上がったと。
算数について
次は算数ですが、算数は基礎から穴だらけの状態だったので、基礎を習得すれば首都模試偏差値50くらいまでは上がるはずだと思いました。基礎を習得させるために、市販の「きょうこ先生の初めまして受験算数」というものをやりました。こちらは基礎的な解法を網羅してくれていて、これをマスターすれば基礎典型問題はカバーできるし、軽い応用も少し入っているというもので、解説も詳しいです。京子先生ありがとうございます。算数が四谷偏差値45以下の人はやる価値のある本だと思います。
本当は3周したかったところ、時間的に2周しかできなくて、完全に穴は埋まってはなかったですが、それでも最後の模試で偏差値が45くらいになりました。第一志望の学校が偏差値45程度なのでひとまず合格ラインには到達できたと。
理社について
理社は軽めの指導でしたが、暗記作業の手順を教えた後、毎回宿題を出して次回確認テストをするということをやっていたのでそちらも首都模試偏差値が45くらいになりました。
理科はコンプリーションというテキストを使いました。コアプラスやメモリーチェック などよりも一段階簡単なものですが、四谷偏差値でいうと45以下の学校であれば十分なものです。
社会は四科のまとめの基本編だけやりました。
理社それぞれ2周やりました。3周する計画を立てていましたが、最初のカンニング事件などのゴタゴタで時間が足りなくなってしまい、2周でタイムアップ。それでもなんとか首都模試偏差値で45にはなったので良いかと。
これで、全教科が第一志望の首都模試偏差値45という合格ラインに到達したわけです。それが冬の最後の模試でした。そこからお母様も少し欲が出て、あれもうちょっといけるんじゃない?と。それで偏差値50の学校を目指すようになりました。生徒本人的にも偏差値が高ければ高いほどいいという考え方だったので、そこはスムーズに志望校が変わりました。
それでじゃあ過去問演習しつつ、今までのべたテキストの3周目をやりながら本番まで過ごし、偏差値50のところにも合格できましたね。
学力も伸びましたけど、人間的に成長できたことの方が、その子の人生にとっては大きなプラスになったんじゃないかと思います。
ゴタゴタがあったけれど立て直した例でした。
③ボリュームゾーンより偏差値が上の生徒
最後に話すのはボリュームゾーンより偏差値が上の男の子の話です。その子は早稲アカに通っていて、こんな生徒でした。
- 僕の指導前の四谷偏差値が4教科で58程度
- 四谷偏差値65程度の学校が目標
- 算数がすこぶる得意で、悪くても偏差値60前半、調子良いと70弱
- 社会も割と好きで、偏差値が60くらい
- 国語は波があって55〜60
- 理科が飛び抜けて悪くて50くらい
③-1 注力分野の決定
そのご家庭からは、理科をなんとかしてほしいという依頼でした。理科が飛び抜けて悪くて理科をなんとかしない限り合格は無理なのでもっともなことで、注力分野は自動的に理科になりました。
その子は理科の暗記分野に興味がわかないということで、知識は基礎的なものしか習得できていませんでした。思考分野は好き嫌いがはっきりしていて。好きな分野は応用までできるけど、嫌いな分野はからっきしという感じでした。そして、大体が嫌いな分野という。。
ただ思考分野が苦手なのはある意味おいしいと思いましたね。算数の成績からして、思考力があるのは明らかだったので、思考分野は伸ばしやすいと予想しました。
③-2 テキストの選定
使ったテキストは、思考分野向けには、早稲アカのマスターテキスト演習編standard版とadvance版。難易度的には、standard版は四谷偏差値60前半まで、それ以上目指すのであればadvance版もやるというイメージです。
暗記分野むけには、早稲アカのマスターテキスト知識編というのがあって、すでに生徒が少しこちらをやっていたのでこれをやることにしました。これは細かい知識まで網羅されていて、収録知識としては優れているのですが、結構暗記項目の羅列で、覚えるのがしんどいです。でも細かい知識を問われることもある学校だったので、やるべきテキストだと判断しました。
③-3 計画の実行(途中から加速 or 横に張り付き)
演習編の方は予想通りスムーズに進んで、「あ、これってそういうことだったの?」って言われることが多かったです。ちょっと教えるとスムーズに解けるようになりました。教えていて感じたのですが、その子は理科が苦手だという先入観のせいで、脳の中に理解を妨げるバリアのようなものがあって、それが段々溶けていくイメージでした。
最初は授業中に例題を解説した後、自力で類題をとかせ、宿題は授業でやった範囲の問題を再度解くということにしていました。ただこのペースだと全然間に合わない。
しかし、段々理科の思考分野に抵抗感がなくなってくると、新しい分野でも自分で進められるようになったので、宿題で1週間にやる範囲を、新しい分野含めて大量に出すことにしました。それでもきちんとやってくれて、授業中は宿題で分からなかった箇所に答えるというサイクルにできたのがよかったです。
そこから急激に伸びました。2周やったところでもう十分定着していたので、思考分野の演習はそこで終わりにしました。あとは過去問演習すればいいやと。
一旦コツを掴むと自力でガツガツやっていく様子は、四谷偏差値60以上の子に結構共通して見られる特徴だと思います。
ただ、暗記分野は滅茶苦茶苦労しました。その子の思っている暗記作業が「眺める」ということなんですね。
それじゃあもちろん覚えないので、一緒に暗記作業することにして、暗記作業とはこうやるんだと実践しながら教えるわけです。
覚えるべきところは薄い赤で書いて、赤シートを被せて見えなくして、答えられるか確認して、答えられなかったらチェックをつけて、、みたいな手順を一つ一つ丁寧に教えるんですね。そうするとその日出した宿題は一人でも教えた通りにやってくれるのですが、また次回からは眺める暗記作業に戻ってしまうんです。そして全然覚えていないと。
僕が「なんでー!?教えた通りやってやー!」というと、「いやぁめんどくさくて・・・」と。
そういうことを何回か繰り返して、これはもう時間がないということで、最後の方は僕が結構な時間横に張り付いて一緒に暗記作業しました。それで暗記分野も足を引っ張らない程度にはなって、結局理科も偏差値が60くらいになり、得意な算数を武器に合格できました。
以上で話は終わりなのですが、色々とテキストをご紹介したり、成績を伸ばすための考え方をお伝えしようとお話しました。皆さんの役に立ったなら、今日話した甲斐があったなぁと思います。
今日話した内容は後ほどブログにするつもりなので、聞き逃しなどあった場合はそちらを参照してください。
質問ある方いらっしゃいますか?・・・いないですかね?じゃあ皆さん月を見にいきましょう。
(当日は皆既月食が起こる日でした)
(以下、ご紹介したテキストのまとめ)
国語
- 受験国語の読解テクニック:国語の基本的な解き方を親が習得する用
- 田代式中学受験国語の「神技」:記述の書き方を親が習得する用
- 国語の要 読解編:標準的な良問(小5向けだが、国語が苦手な小6にも)
(市販されていないのでメルカリ等で購入してください)
算数
- コンプリーション:基礎固め
学習塾・学校専用教材の販売|Juku Suite エデュケーショナルネットワーク中学受験コンプリーション 小6算数: 小学生
(市販されていないのでメルカリ等でどうぞ) - きょうこ先生のはじめまして受験算数:基礎固め(解説詳しい)
きょうこ先生のはじめまして受験算数 数・割合と比・速さ編 (朝日小学生新聞の学習シリーズ) | 安浪京子 |本 | 通販 | Amazon
きょうこ先生のはじめまして受験算数 図形・場合の数編 (朝日小学生新聞の学習シリーズ) | 安浪京子 |本 | 通販 | Amazon
-
下克上算数の難関校受験編:応用典型題対策
-
予習シリーズ6年下 難関校対策編:応用典型題及び思考力問題対策
(ページ中程に掲載されています)
- 出る順過去問計算:計算練習
中学入試 でる順過去問 計算 合格への920問 四訂版 (中学入試でる順) | 旺文社 |本 | 通販 | Amazon
(ページにより難易度にバラツキあり。子供に合った難易度のページのみやるべし) - マスター1095題:計算練習
マスター1095題 一行計算問題集 6年 (マスター1095題一行計算問題集シリーズ) | 日能研教務部 |本 | 通販 | Amazon
(やや簡単。計算の勘を維持するために使用)
理科
- コンプリーション:知識固め&思考分野演習(基礎)
学習塾・学校専用教材の販売|Juku Suite エデュケーショナルネットワーク中学受験コンプリーション 小6理科: 小学生
(市販されていないので購入する場合はメルカリ等で) - コアプラス :知識固め
サピックスメソッド理科コアプラス―中学入試小5・6年生対象 | 進学教室サピックス小学部 |本 | 通販 | Amazon - 魔法ワザ理科計算問題:思考問題の頻出問題を速習、全体の概観把握
-
マスターテキスト演習編standard:典型思考問題を網羅(四谷偏差値62,63あたりまで)
- マスターテキスト演習編 advance:発展思考問題(四谷偏差値62,63程度以上を目指すなら)
- マスターテキスト知識編:知識固め(量多い、細かい知識まで必要な場合)
(マスターテキストは市販されていないのでメルカリ等で購入してください)
社会
- 四科のまとめ:知識固め
- コアプラス :知識固め
サピックスメソッド社会コアプラス―中学入試小5・6年生対象 | 進学教室サピックス小学部 |本 | 通販 | Amazon
中高一貫校を通学時間や塾別偏差値で検索できるスクマ!
中高一貫校を通学時間や塾別偏差値で検索できるスクマ!を運営しています。「自宅の最寄駅から50分以内の四谷偏差値45~55の学校」といった学校一覧を5秒で表示できます。
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