計算ミスで困っている生徒は多いです。中学受験でも、高校受験でも、大学受験でも、定期テストでも。
計算ミスの分類
計算ミスと呼ばれる事象にも色々ありますが、大きくは以下の4つになると思います。
- 自分の書いた数字の見間違い
- 問題の四則演算の記号や数字の見間違い
- 転記ミス
- 簡単な四則演算の間違い
それぞれ軽く説明すると、
1は、自分の書いた数字が雑で、6を0と見間違えたり、3を5と見間違えたりするミス。
2は、問題には5-2と書いているのに、なぜか5+2をしてしまうような間違い。
3は、ひとかたまりの計算を終え、その結果を使って、続きの計算をするときに、先の計算結果を写し間違うミス。
4は、16+25=42としてしまうようなミス。(6+5=12になってしまっている)
計算ミスの対策と失敗
最初は私も、計算ミスを上記のように分類し、それぞれに対して対策を立てたのです。
対策はざっくり言うと、
1は、数字を丁寧に書く
2は、計算し終わったら、問題の記号と数字を見直す
3は、計算結果を書き写す時は2度確認する
4は、百ます計算をする
というものでした。
生徒に対策を伝えて取り組んでもらいましたが、あまり効果はなかったですね。
百ます計算をしても、百ます計算はミスらずにできるんです。でもテストの計算問題ではミスってしまう。
これはなぜだろうかと考えました。
仮説と新対策
出した仮説が、
自分が大変だと思う作業をしている時は注意力が落ち、その結果ミスするのでは?
ということでした。つまり自分の能力ギリギリのことをしていると、細かなことまで注意できなくなるということです。
では対策はというと、計算能力を高めよう、多少の計算問題では難しく感じないようにしよう、という、本当にめちゃくちゃ単純なことでした。
原因を細かく分析して対策するのではなく、とにかく処理能力を高めようという原点回帰。
もちろん、やりがちなミスについては、ミスするたびに注意喚起しますが、そういうやりがちなミスに注意が払えるようになるのも、処理能力が高くなってからだと考えました。
具体的には、
その生徒にとって少し難しく感じるであろう計算問題を毎日欠かさず10題こなす
ということでした。
塾の計算問題集や、様々な学校の入試問題から、適切な難易度の計算問題を選び、3ヶ月間、本当に毎日欠かさずやりました。
簡単な計算問題ではないので、直しも含めると、この計算練習だけで20分、多い時は30分かかることもありましたが、必要な時間だと割り切り、やり続けました。
対策結果
すると1ヶ月たったあたりから変化が見えてきました。初めの頃は正答率3割程度だったのに、正答率が5割に。2ヶ月後には7割に。3ヶ月後には9割合うようになりました。
最初の正答率から考えると、驚くべき成長でした。
この訓練の成果は、計算問題のみならず、他の応用問題でのミスも減らし、劇的に算数の点数が上がりました。
学んだことは、
- 計算ミスの原因を細かく分析して対策を立ててもあまり効果はない
- 計算ミスが起きるのは、処理能力不足により注意力が低下するためであり、それを防ぐには、ややこしい計算でも余裕を持ってできるように、練習量を増やすべし
ということでした。
もっと短く言うと、
「計算ミス?細かい対策などいらん。難しめの計算練習をたくさんしろ」
ということです。
わかっている人は多いと思うのですが、皆さん楽をしようとするのです。
「すぐに、劇的に、計算ミスを減らしたい・・・」
そんな魔法のようなことはそうそう起きません。ごく稀にはいます。チェック項目を教えるだけで計算ミスが減る生徒。でもごくごく稀です。
なので、計算ミスが減らないと嘆いてる暇があったら、計算練習をしましょう。
計算練習を継続するために
計算練習をしましょうというと、多くの人は1週間くらいは続くのですが、1ヶ月やり続ける人は少数で、3ヶ月も続けられる人は本当に稀です。
計算力の怖いところは、練習しなくなるとすぐに落ちてしまうところです。なので継続が大事です。
何も怠けているわけではないと私にはわかります。
なぜ続けられないか。
それは計算練習の優先順位が低いからです。模試の直しが入ったり、学校や塾から急な課題が出たり、苦手な単元の復習で手一杯になったり、などなどできない理由はいくらでも出てきます。
なので、本当に計算ミスを減らしたい、計算ミスで困っている、というのであれば、計算練習の優先順位を1番にしなければなりません。
勉強を開始するにあたり、まずは絶対に計算練習をする。計算練習が終わらなければ他の勉強はできない、ということをルール化すると良いです。
終わりに
計算ミスを頻発する人にとって、計算ミスを減らすことは、最重要課題と言って良いと思います。それは何も目先の中学受験、高校受験、大学受験を突破するためだけではないです。受験後も勉強は続き、計算も引き続きすることになるからです。
中学受験で計算ミスを克服できなかった人は、中学に入ってから定期テストでミスに泣くことになるでしょう。
計算練習に取り組むのが今だろうが半年後だろうが、ミスを減らすために必要な練習量は変わりません。であれば早めにミスを減らした方が、早くから高得点を取れて幸せになれます。
さぁ、計算練習いつするの?
今でしょ!!
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