現在2020年3月2日です。新型コロナウイルスの影響で、多くの小中高・特別支援学校が長期間休校となりました。
そこで、夏休みなどの、1ヶ月程度の長期休暇時にする勉強について、何をどう進めれば良いのか説明していきたいと思います。勉強計画の立て方ですね。
今回は「何をするのか」の部分について書きたいと思います。どう進めるのかについてはまた近々。
主に中学受験をするご家庭の親御様向けに書いていますが、通塾している高校受験・大学受験生の親御様にも参考になるかと思います。
前提:1ヶ月で劇的に成績が上がることは稀
夏休みは受験の天王山と言われますね。もちろん普段より勉強する期間なのですが、それは1ヶ月という短期間で成績が上がることを意味しません。
夏休みに、ここで追いつく、追い越すんだと息巻いて勉強をさせて、結構勉強したはずなのに、成績が変わらず、休暇終了後に焦る・・・みたいなケースは多いです。1ヶ月という短期間で点数が上がることを期待すると、そう感じるのも仕方ないでしょう。
普通、そんなすぐに点数は上がりません。すぐに点数にならなくても、学力が上がっていれば良いのです。休暇中に知識をたくさん覚えさせても、点数になるのはもう少し後です。繰り返して、アウトプットも自在にできるようになった時に点数になるのです。
夏休みに取り組む広範な範囲について、1ヶ月でそのレベルにまで到達できる生徒は中々いません。
長期休暇時は知識をひとまずインプットしておいて、休暇明けの塾の授業でもう一度触れてから、点数になるかな、という感覚でいいです。そこでも点数にならず、直前期に猛烈に問題演習をしてから点数に結びつくパターンもあります。
早急に結果を期待しないで、ということです。
ただし、小6の12月や1月といった直前期なら話は別です。直前期は生徒もやる気MAXの場合が多く、1ヶ月で驚くほど伸びることはよくあります。
逆に小6の夏休みぐらいの時期ではやる気がイマイチでない生徒が多いです。小5、小4なら尚更でしょう。意外とそういうものだと知っていれば無駄に焦らなくてすみます。
どんな勉強をするか
苦手を補強しつつ、総合問題演習で全体的な底上げをする
長期休暇にやることと言えば苦手範囲の復習!というイメージがあるかと思います。それは正しいのですが、苦手対策ばかりやっていると、当然、他の範囲の力が落ちてくる。全体的な学力も維持、できれば少し上げながら、苦手をケアしていきたい。
このために、苦手な単元に集中的に取り組みながら、同時に、毎週1回以上の全教科の総合問題演習をすることをおすすめします。週何回やるかは、家庭学習の時間をどれだけ確保できるのかと、生徒のやる気次第です。
苦手範囲、総合問題それぞれについて以下説明していきます。
苦手範囲は優先順位をつける
苦手な単元と言っても、多すぎて全ての単元に取り組めない、ということはよくあることです。そういう時は優先順位をつけましょう。
とても苦手な範囲より、やや苦手な範囲を優先
一言に苦手と言っても、やや苦手な範囲と、とても苦手な範囲があると思います。優先すべきはやや苦手な範囲です。やや苦手な範囲に集中的に取り組んで得点源にすることを目標にしましょう。
私の経験上、とても苦手な範囲に取り組んで、得点できるレベルにまで到達できることは稀です。とても苦手な範囲がやや苦手な範囲に変わるだけで、結局大して得点できるようにはならない、というのがありがちなパターンです。
とても苦手な範囲に取り組むのは、生徒のやる気もかなり消費するので、全体的な勉強進度も遅くなり、やった割に報われないという結果になる可能性が高いです。
休暇後2ヶ月以内に塾でやる範囲を優先
長期休暇中に得点できるレベルにまで引き上げることは難しいので、休暇後それほど時間をおかずに再度復習する方が良いです。かと言って、学校も塾もある状態で、プラスアルファの勉強をするのは結構辛いので、塾の勉強で復習ができるように計画立てるのが良いです。
つまり長期休暇が終わったあと、2ヶ月程度以内に塾で取り組む範囲を優先します。そうすると、夏休みで取り組んで、再度塾でも取り組み、テストもされれば、今度の模試で得点できる領域に変わる可能性が高まります。
原則志望校を意識しすぎない。ただし、100%志望校が動かないなら別
志望校が決まっている方は、志望校に出やすい範囲を優先したくなると思います。
ですが、小6の秋・冬ごろに、子供の成績や校風を慎重に検討した結果、志望校を変更するご家庭が多いです。
そうなった時に、前の志望校向けの対策しかしていないと、新しい志望校に向けた勉強の負担が大きくなります。なので、小6の夏休みまでは志望校に関係なく、自分の苦手分野を潰していった方が安全かなと思います。
ただし、志望校を100%動かさないという鉄の意志があるなら別です。志望校に出やすい範囲を優先してやりましょう。
総合問題とは何をするのか
総合問題とは、色々な範囲から出題される問題で、範囲の決まっていない模試を想像してもらえれば良いです。
色々な範囲から出題されるので、範囲に関わらず全体的な学力を強化するのに適していますし、実戦練習にもなって一石二鳥です。範囲の絞られたテストだと点数は取れるが、広範囲からの出題になると成績が下がるという方も多いと思います。実戦練習をしてその形式に慣れましょう。
そして、子供のやる気も出やすいです。時間を測って行うテスト形式だと集中してできるようです。どれだけ点数を取れたかでちょっとした刺激にもなります。
では何を使って勉強するかですが、3パターンあるかと思います。
- 大手塾の過去模試
- 銀本(表紙が銀色の「中学入学試験問題集」)
- 今までの塾の教材を切り貼りしたオリジナル模試
順に説明します。
大手塾の過去模試
手に入るならこれが一番てっとり早いです。去年や2年前の模試です。子供の学年のものを使います。塾によっては塾生に販売している場合もあります。首都圏模試メインの方は、首都圏模試は市販されているので簡単に手に入ります。その他メルカリで売られていることもあります。
銀本
銀本とは、主要な中学校の入試問題を集めた問題集です。
小6もしくは成績優秀な小5なら、銀本で、癖のない問題を出題する学校を探して、その入試問題を解くのも良いです。癖のない問題を見分けられないという方は、偏差値が志望校以下の学校から、合格者平均点が7割程度の学校を選ベば外すことは少ないと思います。現状の生徒の学力で5割以上の点数が取れる問題が望ましいです。
今までの塾の教材を切り貼りしたオリジナル模試
通常、小5以下の場合は、志望校よりかなり偏差値の低い学校の問題であっても、入試問題はまだ難しいと思います。そういう時は、オリジナルの模試を作るのも手です。今までに塾で配られたテスト・模試・テキストを使います。色々な範囲から問題を選んでコピーを取り、ノートに貼ります。
算・理・社は1度やった問題でも構いません。やったことを思い出すだけで学力向上が見込めます。国語の読解問題は1度読んだ文章だと演習効果が薄れるので、取り組んでいない問題を使いましょう。そんな問題がないという場合は、塾が販売しているものでも、市販のものでも良いので新しい問題集を買ってください。
いずれのパターンでも、解いたあとはじっくり直しをします。例えば山地を覚えていないと分かれば、問題に出た山だけではなく、主要な山地を復習するなど、間違えた問題だけではなく、間違えた範囲も復習しましょう。
ただし、あまり範囲を広げすぎないようにも注意してください。「単子葉植物を選ぶ問題を間違えたので主要な単子葉植物を覚え直す」ことは適切ですが、植物の範囲全体をやり直すのはやりすぎです。勉強が全然進まなくなります。
得意不得意に関わらず計算は毎日行う
苦手範囲と総合演習のほか、計算練習は毎日した方が良いです。
どれくらいするかは計算が得意かどうかで決めてください。計算が得意な子供であれば10分程度で良いでしょうし、苦手な子供であれば30分くらいかけてじっくり取り組んだ方が良いと思います。
まとめ
まとめると、苦手な範囲と総合演習と計算をやるのがお勧めです。苦手な範囲が多い場合は優先順位をつけてください。
近いうちに、やると決めたことの進め方について書きたいと思います。
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