中学受験において、全分野からランダムに問題を出してくれる問題集(一行問題集)に取り組むことは非常に重要です。主に以下の2つの役割があります。
- 小学生は忘れやすいので、既習範囲を忘れないための記憶維持
- 持っている解法の中から適切な解法を選び出す訓練
算数は分野ごとに順番に学ぶ学習と、ランダム演習を並行してやることが重要です。
ですので、塾に通っていらっしゃるご家庭は、どこの塾でも、日々の一行問題集が配られると思います。しかし、本人のレベルに合ってないことはしばしば起きます。
よくあるのが、簡単すぎて手の運動にしかなっていないことです。
また、塾に通っていらっしゃらないご家庭は、一行問題集の選定に苦労すると思います。
ですので、この記事では私が実際に使用して効果のあった一行問題集と、対象偏差値をご紹介いたします。
対象偏差値は小6後半(夏以降)の偏差値を想定していますので、小6前半の子の場合は、対象偏差値はプラス5上げてください。
加えて、この対象偏差値は、四谷の合不合判定模試の偏差値を想定しています。首都模試の偏差値にする場合はプラス10してください。サピックスオープンの偏差値にするにはマイナス10。日能研模試の偏差値にする場合はそのままで良いです。
また、子供の偏差値が対象偏差値内なのに、取り組み始めは全然解けないこともあると思いますが、解説をして子供が問題なく理解できるようであれば、へこたれず周回すると良いです。解けない問題を解けるようになった時に学力は上がります。
解説をしても子供が中々理解できないようであれば、問題集のレベルを一段階落とした方が良いです。
塾の内部向け一行問題集も含まれておりますが、今の時代はメルカリなどのフリマアプリでご購入できますので、ご希望の方はフリマアプリをチェック!
それではご紹介します。
1. 日々の計算ステージIV・V(日能研) 対象偏差値:〜45
日能研の内部向け計算問題集。
1回につき計算2ページ、一行問題2ページが含まれています。一行問題2ページのうち、半分は図形問題です。
非常に基本的な問題で構成されています。模試だと正答率80パーセントを越えるような問題です。公式一発で答えが出るような問題もあります。
そういう基礎レベルに穴がある場合に効果的です。
日能研では、ステージIVが6年生前半、ステージVが6年生後半で使うテキストですが、あまりレベルに差はないです。
ステージIVのサンプル
ステージVのサンプル
2.下克上算数基礎編(市販) 対象偏差値:〜50
市販の有名一行問題集。
関西の大手塾、馬渕教室の内部向け教材を再編集したものです。
基本的な解法を適用するだけの典型問題もあれば、基本的な解法を使う前に、少し考える必要のある問題もあります。
基本的な解法の確認はしたいが、同時に思考力も少し鍛えたい、という場合に良いです。つまり、上記の日能研テキストの一行問題集部分をやらずに、代わりにこれをやるのもありだと思います。
ただ、この本は図形問題が各回につき1題しか含まれていないので、図形の問題は上記日能研テキストで補うのが良いです。
3. 上位校への算数Practice(早稲アカ) 対象偏差値:50~65
早稲アカのオリジナルテキスト。
応用レベルの典型問題をランダムかつ網羅的に出してくれます。偏差値55あたりでつまづいている子は、この応用レベルの典型問題の解法に抜けがあることが多いです。
類題を繰り返し出してくれるので、毎日解けば自然と解法が身につくように編集してくれています。
下で、下克上算数の難関校受験編を紹介していますが、下克上算数の基礎編と難関校受験編は、難易度の差が大きく、基礎編から難関校受験編にはスムーズに移行できません。そのギャップを埋めるためにこの問題集を使うのも良いです。
この「上位校への算数Practice(プラクティス)」は良くできた問題集ですが、難点は手に入れづらいということです。月1冊ぐらいのペースでメルカリに出品されているのを見かけます。
上位校への算数のサンプル
4.下克上算数難関校受験編(市販) 対象偏差値:55〜
上記、下克上算数基礎編の難しい版。
後半になるとかなり難しい問題も紛れています。偏差値50の子がやるのは少しきついです。偏差値55からなんとか食らいつけるレベル。もしくは偏差値50程度でも算数の素質があり、まだまだ伸びそうな子。
問題の構成は以下4種類で構成されています。
- 応用レベルの典型問題
- 応用レベルの典型問題を少し捻った問題
- マイナーだけど、決まった解法のある問題
- 典型問題ではなく、かなり思考力を使う問題
応用レベルの典型問題の穴を埋められるし、マイナーだけど解法を知っていたら即座に解ける問題もカバーしている。そして思考力も鍛えられる。しっかりやればかなり力がつく。
最後に
算数の一行問題集は、穴のない土台と運用力(適切な解法を選ぶ力)を鍛えるために必須の演習です。
是非、自分のレベルにあった問題集を探し当ててください。
学力向上のためには、独力ではまだ解けないけど、解説されれば容易に理解できるレベルの問題演習を素早く積み重ねていくことが大事です。
取り組み始めた時に、正答率だけを見て「レベルが合ってない」と即座に切り捨てるのは良くないです。正答率が2割、3割でも、解説されればすんなり理解できるのであれば、レベルは合っていると考えてください。
解説をすんなり理解できるか、これが判断基準です。
Good Luck!
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