家庭教師の雑感

家庭教師をしている横井が、受験や勉強に関するお役立ち情報を書きます。

国語の記号選択問題の解き方 〜幹の確認〜

国語の読解問題といえば記号問題ですね。記述で差がつくとは言われますが、学校によっては大半が記号問題で、記号問題でこそ差がつくという学校も多くあります。

 

消去法は最終手段

記号問題の解き方ですが、よく言われるのは、消去法で解け、と。一部でも間違っている部分があればその選択肢を選んではいけない、と。それは正しいことを言っていますが、ベストな方法ではないと考えています。

 

作問者は、私たちに間違い探しをさせたくて問題を作っているのでしょうか?消去法で解く人にとってはそのようにうつるかもしれません。

そのように解くのであれば、ウォーリーを探せとあまり変わらないように感じます。広大な文章の中から、選択肢が言及している部分を探す。中々見つからないことも当然あるでしょう。

そんなことを選択肢ごとにしていたら、いくら時間があっても足りません

 

記号問題は幹を掴めているかの確認である

作問者は当然、解く人の読解力を見たいわけです。読解力とはウォーリーを探す能力ではありません。記号問題で試したい読解力は、幹を掴む能力だと思っています。

幹とは、聞かれていることに答えるために最小限必要な要素です。例えば気持ちを聞かれている場合は、その気持ちを表す言葉と、その気持ちになった理由。それを大まかに掴めば良いのです。

「大好きな〇〇さんに出会えて嬉しい」

これぐらいの大雑把さで答えられる問題が多いのです。

 

これが記述だと、もう少し細部まで書かなければ、満足のいく点数はもらえません。〇〇さんのことをなぜ好きなのかとか、単純に「出会って嬉しい」だけではなく、その出会いの特殊性とかを書いたりします。「喧嘩したあとずっと謝りたいと思っていた」とかですね。

 

しかし、記号問題は幹さえつかめれば良いという意味で、記述問題ほどの言語化能力は求められていません。

 

選択肢を見る前に、文章に戻って自分で幹を作ろう

では記号問題をウォーリーを探せではなく、読解問題として解くにはどうしたら良いか。そのためには選択肢を見る前に、本文に立ち返って自分で答えの幹(=大雑把な答え)を作る、という作業をすることが大事です。

これが記号選択問題で正答率をあげるための肝です。

 

記号問題をポロポロ落とす生徒はこの作業をしていないことが多いです。問いを読んでそのまま選択肢を読むのです。そして曖昧な自分の記憶を頼りに、これは言っていた、これは言ってなかったと間違い探しをし、迷った時に、「こんなこと文章中で言ってたかな〜?」と本文に戻ってウォーリーを探せをします。

そして、時間をかけた挙句、常識的に考えて正解の選択肢を選んで間違う、みたいなパターンですね。

 

私が推奨する方法は、問いを読んだら、記述問題を解く時と同じように、まずは傍線部に立ち返ります。選択肢はまだ見ません。傍線部の近辺を再読し、自分で答えを作るのです。記述問題ほどの精度は要求されていません。大まかに、幹を作るだけで良いので、大体はそんなに時間はかかりません

そのあと初めて選択肢を読みます。チェックすることは、自分の作った幹と合致するかですが、もちろん完全合致する選択肢が存在することは少ないでしょう。方向性があっていれば正解とすれば良いです。

 

多くの問題で迷いなく答えられるが、迷った時は消去法

ここで、3パターンのケースが登場することになります。

  1. 自分の答えと方向性があっている選択肢が1つだけのパターン
  2. 自分の答えと方向性があっている選択肢が複数あるパターン
  3. 自分の答えと方向性があっているものがないパターン

 

読解の精度が上がってくると1のパターンのように、すぐに1つだけの選択肢に絞れることが多くなってきます。8割程度の問題が1のパターンで解けるようになれば、読解力は十分についていると思います。

 

それでも2のパターンは発生します。この時に多いケースが、最後の2択で迷うパターンです。こうなると、精密に消去法で解くしかないです。選択肢をポイントごとに区切って、ポイントごとに合っているか確認します。選択肢の区切り方ですが、読点でポイントが区切られてることが多いので、読点を目安にポイントごとに分解してください。その上で、各ポイントの正誤を判断します。

 

最後は3のパターンです。方向性が合っているものがないとはいえ、少しでも自分の方向性に合っているものを選ぶことができることは多いです。それもできない、もう選択肢を全く絞ることができない、という場合は、全ての選択肢について精密に消去法をするという方法で解くしかないです。

ただ、そのような状態で消去法をしても正解できる可能性は低いです。その問いについては読解できていないということですから。どうせあまり正解が見込めないなら、時間をかけないことが最善の策です。できるだけ迷わずに、迷ってしまったらもう直感でいくぐらいのスピードでやり、時間を節約した方が全体としては点数が上がると思います。

ちゃんと読めていると、3になるケースはほとんどないでしょう。数回の模試で1問出てくるかどうかというレベルです。

 

ただし、問題の性質上、全ての選択肢について細かく吟味しなければならない問いは存在します。「次の選択肢の中から本文に合っているものを選べ」という、問題文全てを対象にした問いです。

これも2パターンあって、筆者の主張を確認する問題と、枝葉の部分の正誤まで確認する問題です。

前者の場合は、問題文をきちんと読解できていたら主張ぐらいは文章を見返さなくても頭に残っていると思うので、主張が何だったのか思い出し、その上で選択肢を見れば良いです。

後者の場合は、ウォーリーを探せをしろと言っているようなものです。しかしそんなに時間をかけるわけにもいかないので、文章を読んだ記憶から、明らかに間違っている選択肢を消し、残った選択肢については、その内容に言及している部分があるか、本文に戻ってウォーリーを探せをします。

 

まとめ

以上が、私が推奨する記号問題の解き方です。

最後に、大事なことを繰り返します。

選択肢を読む前に、文章に戻って、自分で幹(=大雑把な答え)を作ること。

ウォーリーを探せは極力しないように。

 

 

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