家庭教師の雑感

家庭教師をしている横井が、受験や勉強に関するお役立ち情報を書きます。

通信教育を活用した中学受験で気をつけること(特に進学くらぶの話)

この記事の内容を音声で聞きたい方はこちらから。

voicy.jp

 

今回は、なんと初質問をいただいたので、そのお返事をしようかと思います。

質問を送っていただいた方、誠にありがとうございます。

 

ご質問は何日か前にいただいていたのですが、お返事が遅くなってすみません。ここ数日仕事が立て込んでいて、Voicyを録音する時間がありませんでした。

 

ということで、質問内容を読みます。

 

「現在小4息子が進学くらぶを利用して中学受験の勉強をしています。先生は今まで、進学くらぶを利用している生徒の家庭にかかわったことはありますでしょうか。進学くらぶをはじめ、通信を活用した中学受験において、気を付けた方がいいポイント等、ありましたら教えていただけますと幸いです。」

 

というご質問です。

進学くらぶというのをご存知ない方のために、軽く説明しますと、四谷大塚が提供している通信制のコースで、四谷大塚のテキストの解説動画を家で見て学習するっていうものです。扱うテキストは通塾組と同じものです。

 

で、僕が、進学くらぶを利用している生徒の家庭に関わったことがあるか、ですが、そうですね、あります。パッといくつかのご家庭を思い出すことができます。

それで、気をつけた方がいいポイントですね。

これね、「多分結構うまくいくので、そんなに気をつけることないですよ」っていうのがざっくりした答えになります。

 

うまくいく家庭はどんな家庭か

 

ちょっと詳しく説明するために、僕の経験談をお話しします。僕は進学くらぶを利用しているご家庭のご指導をしたことがあると言いましたが、多くが小6でした。そして、僕に依頼していただいた時点で、僕から見て結構うまく受験勉強を進められているご家庭が多かったです。

じゃあなぜ依頼されるかと言いますと、まずは志望校対策ですね。

あるご家庭は高偏差値の、四谷大塚の偏差値60を超えてくるような学校を狙っていて、小6夏休みくらいから、その学校を意識した演習をしたい、ということで、テキストのどの辺りを重点的に勉強すれば良いかとか、弱点補強のために、市販テキストでこういうことを鍛えれば良いとか、そういうことを模試のたびにアドバイスしていました。その延長で、過去問演習のアドバイスもしていました。過去問を解くたびに復習すべき類題を提示して差し上げたり、時には解説もしたりしていました。そういう志望校に特化したケアは、進学くらぶをはじめとする通信教育では難しいところなのかなと思います。

 

でも、このご家庭はすごくうまくいっていて、というのも、子供が自分で勉強する意思があるんですね。ちゃんと自分で動画を見て、大体のことは理解できて、で、わからないところがあれば質問できる。結構自立して勉強を進められる子でした。

他にも、進学クラブを利用しているご家庭は同様のご家庭、つまり子供が自立して勉強を進められるご家庭が多かったです。で、志望校対策のために家庭教師を利用する、みたいな感じですね。

 

いや、そんな自立した子供ばっかりじゃないですよって思いますよね。そうです。もちろん、子供が勉強をあまり好きではないけれど進学くらぶを使っていたご家庭もありました。でもこのご家庭も、僕から見てうまくいっているご家庭だったと思います。子供が自分から進んで勉強しないかわりに、親御様がかなり張り付いて伴走していました。教科の内容も教えられる親御様だったので、動画でわからないところがあってもすぐに親御様が教えられる状態でした。

こういうふうに親御様が子供に張り付いて、教科の内容まで教えていると喧嘩になりがちですが、そのご家庭は親子関係は良好でうまくいっていましたね。

それで、じゃあどうして僕に依頼が来るかということですが、高学年になってだんだん成績が落ちてきたんですね。その原因分析と対策を考えてほしいということで、模試を見たり、普段の勉強内容を聞いたりして分析しました。それで、やるべきことを取捨選択する、というのを定期的にやっていました。で、ちゃんとアドバイス通りに勉強を進めてくれて成績を持ち直したので、うまくいった例として覚えています。子供が勉強にあまりやる気を持っていなくても、親がガッツリ伴走してうまくいった話です。

 

ここまで、2つのうまくいくケースをお話ししました。子供に自立心があるケース。親がガッツリ伴走するケース。

 

うまくいかない家庭はどんな家庭か

 

うまくいった話ばかりだと客観性に欠けますね。うまくいかなかったケースもあります。子供が勉強に対してあまり前向きではなく、親御様も仕事などがあってそんなにガッツリ伴走できないケースだと、当然ながらうまくいかないことが多いです。そもそも子供が動画を見てくれません。また、子供が勉強する気はあるが、動画だとなんとなく集中して見続けることができず、うまくいかないというケースもあります。でもこういうご家庭は、早期に、数ヶ月で進学くらぶを辞めるんですね。当たり前ですが。

 

数ヶ月続けられたらその後も問題なく続けられる

 

それで、ここまでの話をまとめますと、進学くらぶでうまくいくご家庭はずっと続けて、小6まで続けていましたし、進学くらぶでうまくいかないご家庭は速攻でやめていったわけです。

 

ということは、数ヶ月もすれば、進学くらぶなどの通信教育との相性ってはっきりとわかると思うんです。ご質問された方がどれくらいの期間、進学くらぶを使っているかはわからないですが、もし半年くらい使っていて特に大きな問題がない状態なら、それは子供に合っているということなので、おそらくそのままの調子で小6までやれるんじゃないかと思います。問題が出てくるとすれば、やはり小6の時の志望校対策でしょう。これは進学くらぶでは難しいかもしれません。あるいは、小5後半や小6になって勉強内容が難しくなった時に、うまくテキストを吸収しきれないということも発生するかもしれません。でもそれは通塾していても出てくる問題ですので、通信教育特有の問題ではありません。

 

細かく言えば気をつけた方がいいポイントはありますよ。ライバルを間近で感じることができないのでモチベーションを維持できない可能性がある、とか。他には、わからないところはメールベースで質問することになるので、何がわからないか説明できる必要がある、とか。でもそういうもの全部ひっくるめて、数ヶ月やれば相性がわかるので、そこで問題が起きてなければ今後も問題が起きる可能性は低い、ということです。

 

で、通信教育との相性ってめちゃくちゃあると思います。合う人はすごく合うし、合わない人は全然合わない。なので数ヶ月やれば相性はわかるはず。集団塾は苦手だけど、通信教育はうまくいく生徒というのは、実は結構いるんじゃないかと思います。

 

ということで、今回は中学受験における通信教育、特に進学くらぶについてのお話でした。

 

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