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今回は、両親ともに働いていて、伴走したくても十分に伴走できない!という方向けに、それでも一番大事なことはできますよ、という話をしたいと思います。
伴走の仕方って大きく3つあると思っています。それは、教えること、勉強環境を整えること、精神的支柱になること、です。
1つ目の教えることっていうのは、親が勉強内容を子供に教えるということです。これはなかなか難しいです。中学受験経験者や塾講師をやっている親ならできますが、普通なら難しい。親が中学受験経験者でも塾講師でもないけれど、塾のテキストでガッツリ勉強して子供に教えるという方もいて、すごいなと思いますが、普通は難しいと思います。
2つ目の勉強環境を整えるということについてですが、伴走といえば、多くの方がこれをイメージするんじゃないかと思います。勉強計画を立ててあげたり、テキストのコピーをとってあげたり。サボらないように監視するのも勉強環境を整えることに含みます。僕が指導してきたご家庭では、プロママですか!?って言うぐらい徹底的にやっているご家庭もあって、いや、すごいなって思いました。たとえば、過去問演習をしていると、ときどき、国語の文章が著作権の関係で掲載されていなかったりするじゃないですか。そしたら、その文章が掲載されている原本を買ってきて、文章をパソコンで打ち込んで作るんですよ。問題の文章を。さらに問いで聞かれている傍線部にもしっかり傍線引いたりして。すごい労力だなと、自分が親だったらとてもじゃないけどここまでできないなと驚いたことがあります。
伴走で一番大事なのは、子供の精神的支柱になること
で、勉強環境を整えることが伴走のメインディッシュみたいに思われている方もいらっしゃると思うんですが、でもそうではなくてですね、一番大事なのは3つ目の子供の精神的支柱になることなんですね。
これ、たとえばどういうことかって言いますと、僕の話で恐縮ですが、僕が小学校時代、中学受験生として現役だった頃、僕の母親は、受験のサポートという意味でやってくれたことは、一見すると少ないです。母親は高校で勉強をやめたという人だったので、もちろん僕に勉強を教えることはできないし、勉強計画を立てたりといった、勉強環境を整えることもしてくれなかったです。というよりできなかったんだと思います。やってくれたことは、塾に持っていくお弁当を作ってくれたことと、塾の行き帰りに、最寄り駅まで車で送迎してくれたことでした。
ただ、その送迎の車の中で、励ましてくれたり、あるいは、あえて勉強の話題に触れずに癒そうとしてくれたりと、心で一緒に戦ってくれているのがとても伝わってきました。よく覚えているのが、僕は当時小6で、志望校特訓のテストで、まぁ毎回悲惨な点数をとっていたんですよ。それで、ある日また志望校特訓のテストで悲惨な点数をとりました。で、塾から帰ってきて、母親が迎えにきた車に乗ると、母親は結果を聞いてこないんですね。今日がテストの日だっていうのは母親もわかっているけど、結果を聞いてこない。多分聞かなくてもわかっていたんだと思います。僕の声のトーンとか雰囲気で、またひどい点数だったって。
で、最寄り駅の近くにたこ焼き屋さんがあったんですけど、母親は勉強のことは何も聞かずに、「たこ焼き食べて帰ろっか」っていうんですね。たこ焼きを食べながら、やっぱりここは美味しいね、なんてとりとめもない会話をして。それがね、何かとても優しさを感じて、テストで傷ついた心を癒してくれたんです。
中学受験って、時には子供にとってものすごいストレスを感じる時期もあって、僕も例外ではなかったですが、僕がなんとか乗り切って最後まで走れたのは、間違いなくこういう母のサポートがあったからです。
他のご家庭の話だと、どんなにテストが悪くても常に前向きに子供に接するご家庭が印象的でした。子供の成績って乱高下が激しいじゃないですか。で、たまにガクンと落ちたりした時もある。でもそういうときにその親御様は、子供の前では全然負のオーラを出さずに、「大丈夫大丈夫、前回よりこういうところはできるようになってる、次はこういうことに気をつけていこう」と言って、すごい前向きなんですよ。プチ松岡修造みたいな感じです。でも本当は心配なんですよ。僕にはめちゃくちゃ心配なことを相談してくれていましたから。子供の前の様子と全然違うやんって、すごいな、これが女優かと驚いたものです。でもそのおかげでやっぱり子供の精神状態は安定していて、前向きに勉強を頑張れていました。
親が一緒に戦ってくれていると思える安心感
結局勉強するのは子供ですから、子供のガソリンがなくなってしまうと、いくら色々手をかけてもなかなか前には進みません。なので、心を支えて、ガソリンを供給してあげることが一番大事な親の役割だと思っています。
で、親であれば誰しも子供の心の支えになってあげたいと思っていると思うんです。あとはどれだけそれが子供に伝わっているかという話だと思うんです。どうすれば伝わるかは子供によって千差万別だと思います。たこ焼き食べてみるもよし、松岡修造になってみるもよし笑。お子様のことは親御様が一番わかっていると思うので、良い方法を見つけてください。
伝えたかったのは、働いていて時間がなくて、十分勉強のサポートができていないと感じていても、実はただ一緒に戦っていることが伝わりさえすれば、それが子供の心の支えになって、すごく子供の力になっているんですよってことです。
中学受験は親御様もストレスで大変なこともあると思いますが、なんとか頑張っていきましょう。
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