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今回も、質問にお答えしたいと思います。
今回のご質問は小6後期の勉強の優先順位についてです。
それでは質問をお読みします。
「yokko先生 いつもためになる放送をありがとうございます。 スクマ!も活用させてもらっています。 6年生後期の勉強の優先度について質問です。 塾の宿題に始まり、毎週末のテストや志望校特訓、過去問や見直しなど、やることが多過ぎて何を優先したらよいのか頭を抱えています。 子供の成績や状況によって対応も変わるのかなと思いますが、先生のご意見をお聞きできたら嬉しいです。 ちなみに我が家は第一志望校まで偏差値が5くらい足りない状況です。 よろしくお願いいたします。」
6年後期は一気にやることが増えますよね。これ小6の皆さんならおそらくほぼすべての方が同じ悩みを抱えていると思います。取捨選択が大事です。
僕は小6後期からは志望校を強く意識した勉強が大事だと思っていて、それで優先順位が決まってきます。
まず基本的な方針です。塾のレギュラーの授業やテストはもちろん受けて勉強しますが、復習する問題を厳しく取捨選択することで時間を作り、その時間で志望校に特化した勉強をします。
レギュラーの授業について
まず、レギュラーの授業の問題を取捨選択することについてですが、志望校に出ないタイプの問題は一切やりません。塾のテストに出るかもしれなくてもやりません。ただ、細かい選定は、中学受験の問題に詳しくない親御様には難しいかもしれないので、そういう場合は分野と難易度で区切るしかないと思います。ニュートン算は出ないとか。これ以上の難易度の問題は出ないだろう、とか。正確な取捨選択はやはりプロの先生に依頼するのが良いと思いますが、そこまで神経質になる必要はないと思っています。標準的な難易度の問題で、できていない問題があれば習得する、くらいの意識でも良いと思います。というのも、これからの時期、大事なのは志望校に向けた演習なので、レギュラーの授業で少し取りこぼしがあっても、過去問演習などで十分カバーできるからです。
志望校に特化した勉強の優先順位について
次に、志望校に特化した勉強についてです。
志望校に特化した勉強とは、①基礎がため、②志望校特訓、③過去問です。志望校に特化した勉強に基礎がためが入っているのは少し違和感があるかもしれませんが、説明の便宜上こういう分類にしました、ご容赦ください。レギュラーの授業以外でやること、というイメージです。以降の説明でも、志望校に特化した勉強に基礎がためが含まれること、ご承知ください。基礎がためとは、メモリーチェックやコアプラス、バックアップテキストといった、塾で配布される基礎固め用のテキストをマスターすることを指しています。
それで、基礎固めが、志望校に特化した勉強の中で優先順位No.1なのはどのかたにとってもそうですが、残りの2つ、志望校特訓と過去問の優先順位は人によって変わります。
これは、志望校特訓と一口に言っても、学校の名前がついているものと、そうでないものがあるためです。学校の名前がついているものは、当たり前ではありますが、その学校に超特化した授業内容だし、塾が用意してくれる類題も志望校の傾向に沿った優れたものであることが多いです。なので、学校の名前がついた志望校特訓を受ける場合は、その内容を必死に習得することのほうが、過去問演習より優先順位が高いです。
過去問演習は、解くだけじゃなく、間違えた問題の類題演習をしたり、周辺知識の復習をしたりして初めて意味が出てきますが、学校名のついた志望校特訓では、それを塾側がクオリティ高くやってくれるイメージです。これを必死でやらない手はありません。多くの生徒を教えてきて、こういう学校名のついた志望校特訓は実際かなり効果があると感じています。
一方で、学校名のついていない志望校特訓、例えば中堅校以下を狙う場合、土曜・日曜に塾で特訓するんだけど、もうざっくばらんに中堅校対策します、というようなコースが用意されている場合もありますよね。そういう場合は、この特訓の優先順位は低いです。過去問演習の方が優先順位は高くなります。親や家庭教師など、子供の過去問演習に付き添える人がいるなら、そもそもそういう特訓は受講しないという選択もありだと思いますし、受講する場合も、やはり自分の志望校に出ないだろう問題はバッサリ切ることが大切かと思います。
ここまで少しまとめます。志望校に特化した勉強として①基礎がため、②志望校特訓、③過去問演習があって、優先順位としては、学校名のついている志望校特訓を受ける場合は、基礎がため、志望校特訓、過去問演習の順番。学校名のついていない志望校特訓を受ける場合は、基礎がため、過去問演習、志望校特訓の順番です。
実際の進め方3パターン
小6後期の勉強で難しいのが、これらが全部同時並行で進んでいくことです。基礎がためが終わってなければ基礎がためもするし、そうやりつつも塾のスケジュールで志望校特訓も進み、さらに、過去問の提出を課せられる塾も多いでしょう。
で、どうするかですが、これ、思い切り濃淡をつけてください。
以下3パターンについて説明します。
まず、基礎がためがまだ終わってなくて、基礎がための優先順位が高い場合は、レギュラーの授業以外でやることの8割は基礎がためとし、志望校特訓はとりあえず受講し、塾で扱った問題でできなかった問題を1度復習するだけにとどめておく。過去問演習は塾に状況を説明してまだやらない。といった具合になります。学校名のついている志望校特訓を受講している方は、やり残した志望校特訓の問題は、基礎がためが終わった後、連休や長期休暇などの時間ができたときにしっかり復習しましょう。
次に、基礎がためが終わっているという方で、学校名のついている志望校別特訓を受講している方は、志望校に特化した勉強としては、まずは志望校特訓の完全消化を目指して時間を使ってください。その後、時間が余っていれば、と言ってもなんとか頑張って時間を作ってほしいところですが、毎週過去問を1教科でも2教科でも進めます。過去問は1度に4教科通しでやるのが理想ではありますが、時間がない場合は、今日は1教科だけ、というやり方でも大丈夫です。
そして、基礎がためが終わっていて、学校名のついていない志望校別特訓を受講している方は、毎週4教科1回分は過去問を解いて、しっかり直しをしましょう。間違った問題を解き直すだけでなく、過去のテキストから類題を取ってきたり、基礎がためテキストで周辺知識まで確認したりしてください。時間はかかりますが、かけるだけの価値はあります。そうすると、志望校別特訓の勉強はあまりできないかもしれませんが、それは仕方ないです。残った時間内でできる範囲でやる、という意識で良いです。
ということで、今回は小6後期の勉強の優先順位についてお話ししました。
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