家庭教師の雑感

家庭教師をしている横井が、受験や勉強に関するお役立ち情報を書きます。

子供の自己肯定感はどうやってつくんだろう

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今回は子供の自己肯定感はどうやってつくのか、について考えたいと思います。

最初にお断りしておきたいのですが、僕は勉強を教える専門家であって、子育ての専門家ではないので、自己肯定感のような子供の精神について、確固たる自信があるわけじゃないです。

ただ、勉強を教える中で、自己肯定感のようなものが強い子の方が心が折れにくいし、頑張らなきゃいけない時に踏ん張りがきく傾向にはあると思っていて、成績を上げるうえで重要なので、いつもほんのり意識していることではあります。

なので今回の話は、ディスカッションのようなものです。「僕はこういう考えです。あなたはどうでしょう。」というくらいのもので、だから今回のタイトルも「子供の自己肯定感の付け方」ではなく「自己肯定感はどうやったらつくんだろう」と疑問を投げかける感じにしています。軽く聞いていただけたら嬉しいです。

 

今回の話での自己肯定感を一応定義しておくと、自分は素晴らしい人間だという感覚です。専門的には、自己肯定感とか、自己効力感とか、色々正確な定義はあると思いますが、そういう細かい話は置いておいて、ここではそう定義しておきます。

 

で、本題ですね。自己肯定感はどうやってつくのか、ですが、よく言われるのが、小さな成功体験の積み重ね、というものじゃないかと思います。

ただ、僕が指導している中で思うのは、崩れやすい成功体験と、崩れにくい成功体験があるな、ということです。

崩れやすい成功体験の例は、成績があがったとか、走るのが速くなったとか、明確に順位がついてしまうものは崩れやすいのかなと思っています。

中学受験でよくあるのは、中学受験に参戦する前は、小学校で勉強がよくできて、先生からも褒められて、勉強に自信を持っていた。学校内で小さな成功体験を積み重ねているわけです。でも中学受験に参戦すると、思ったほど良い成績がとれず、さらには自分の積み重ねていた成功体験を、簡単に飛び越えていく人が沢山いるのを目の当たりにするんです。そして一気に自信をなくして、勉強に力が入らなくなってしまう。

かくいう僕もそういう経験はあって、僕も小学校時代、学校内では勉強無双していて、自分より賢い奴なんていないと思っていましたが、中学受験の塾に入ると、自分より成績の良い人が何人もいてショックでした。さらに一生懸命勉強してもなかなか成績が上がらないじゃないですか。ある程度までは上がるけど、そこから先はなかなか成績が上がらないというラインがありますよね。そういう状況になった時は本当辛かったですね。僕ってそんな頭良くないのか?頭の良さが僕の取り柄なのに・・・?という、自己肯定感が崩れる感覚を味わいました。

多分これって、勉強だけじゃないと思うんですよ。ピアノを頑張っていた友人がいますけど、やはりピアノもコンクールとかで順位がつくじゃないですか。そうすると、期待する結果が得られないと、私はこれだけ頑張ったのにこの順位なのか、と自信を失うってこともあると思うんです。それで自分の価値を過小評価してしまう。

 

こういう例から、明確に順位がついてしまうものを自己肯定感の拠り所にしていると、それは崩れやすいのかな、と思っています。

 

一方で、崩れにくい成功体験というのは、人間性の部分に自信を持つということじゃないかと思っています。

例えば、昔教えていた子で、あまり勉強できない子がいました。特にスポーツや芸術ができるというわけでもありませんでしたが、どことなく自信をまとっている雰囲気でした。俺はこれで良い、と。

その子と会話する中で見えてきた特徴は、まず素直で正直なんですね。こう解きなさいと教えると、すんなり真似してくれる。また宿題をやってないことも多々ありましたが、嘘をつくことなく、元気に「すんません!やってないです!」という。なんだか潔すぎて僕も笑ってしまうくらい。そしていわゆるコミュ力お化けで、道端で出会った人に声をかけて仲良くなれるような、そんな子でした。

多分その子は今言ったこと全部を自己肯定感の拠り所としてたんじゃないかなと思います。素直さ、正直さ、コミュ力。そういう性格のようなものって、順位をつけて優劣を競うものではないから、簡単には崩れない。

その子の親御様は、いつも「ウチの子はバカ正直で誰とでも友達になれるのが取り柄です」ってことあるごとに言っていて、親にそういう自分の良いところを認められ続けているというのも、成功体験として大事なんだろうなと思います。

で、結局この子、第一志望に合格するんですよね。受験が近づくにつれてガッツを見せてくれた子でした。

 

他にも、色々な生徒がいました。真面目さに自信を持っている子とか、あるいは独創性に自信を持っている子とか。独創性というのは、その子は工作が得意だったんですね。ダンボール製の動くロボットを作ったり、自動で発射されるゴム鉄砲を作ったり。家具とかも勝手に改造しちゃうこともあるんですけど、親は嫌がらずむしろ奨励していて、それが一層その子の自信を強化してたんだろうなと思います。ちなみに、どちらの子も第一志望の学校に合格しました。

 

これ、話しながら思ったのですが、第一志望に合格した子を敢えて取り上げたわけじゃなくて、自己肯定感が高かった子を思い浮かべたら、みんな第一志望に合格してたという。

 

ということで、順位がつかない、人間性のようなものを自己肯定感の拠り所としていると、受験勉強がつらい時も、自己肯定感高く進めるのかなぁ、という話でした。

僕自身、これが正解かはわからないですし、正解があるのかもわからないテーマなので、そういう考え方もあるのかぐらいに思っていただけると嬉しいです。

 

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