家庭教師の雑感

家庭教師をしている横井が、受験や勉強に関するお役立ち情報を書きます。

算数の典型題を、応用力を鍛えながらスピーディに身につけ、忘れづらくする方法

この記事の内容を音声で聞きたい方はこちらから。

voicy.jp

 

今日は、算数の典型題の取り組み方について、お話ししたいと思います。

 

典型題を芯から身につける重要性

 

典型題というのは、受験生の半分以上が知っているような頻出問題であり、解法も決まっていて、それを覚えていたらすぐに解けるような問題を指します。

 

算数の成績を伸ばすためには典型題を穴なく身につけ、そのうえで、典型題じゃない、思考力を試される問題から少しでも点を取れるように、思考力を鍛える訓練をする必要があります。

 

と言っても、典型題じゃない問題=思考力問題、で点数をとる必要のある人は、限られます。そうですね、算数で四谷大塚偏差値53、54以上を取りたい方は思考力問題で点数をとる必要があるでしょう。サピックス偏差値だと45、首都模試の偏差値だと63、64以上とりたい方でしょう。ということで、典型題さえおさえていれば、目標とする学校に合格できる人の方が多いです。

 

ということで、うちの子供は、思考力問題など不要、典型題を定着させれば良い、ということで、典型題の解法を覚えることにいそしむ、という方は多いでしょう。それは戦略としては合っていますが、やり方を間違えてしまうと、問題集では典型題は解けるようになったけれど、テストでいまいち結果を出せない、ということになりがちです。これは、解法を丸暗記している生徒によくあることで、問題集とは少し違う聞かれ方をしたり、ほんの少しひねられたりするだけで、もう解けなくなってしまうからです。これに対応するには、典型題とはいえ、多少の応用力も身につける必要があります。

 

また、思考力問題まで解く必要のある、ハイレベルな学校を目指す生徒の中には、典型題は解法をささっと覚えて、思考力問題で思考力を鍛えるという勉強法をしている人もいます。これは危ない勉強法です。というのも、思考力問題で使う道具は、典型題の解法であることが多く、それは解法を覚えているだけでは自在には使えないものなのです。どうしてその解法で解けるのかという原理まで理解していないと、思考力問題で力を発揮できないケースは多いです。

 

ということで、どのようなレベルの学校を目指すのであれ、典型題を身につける時、単純に解法を覚えるだけでは、あまりテストで点数を取れないということになります。これを克服するためには、典型題の解法を身につける作業の中で、原理を理解しながら応用力も鍛える必要があります。それもスピーディに。受験生にはいつも時間がないですから。

そんな欲張りな方法があるのか、ということですが、やり方次第では可能です。

 

典型題に取り組むときの理想的なやり方

 

で、そのやり方ですが、1問につきまず2分だけ、解説を見ずに考えてください。この2分って短いようで実は結構長いです。色々試すことができます。テストでも、捨て問か判断するために、1問につき2分くらいは使えますから、その辺りを意識した時間設定にしています。で、注意してほしいのは2分以上は考えないということです。生徒によっては、わからないのが悔しくて、5分、10分考える人がいますが、2分考えてもわからない問題は、大抵10分考えてもわからないです。時間を有効に使うために、2分厳守でいきましょう。これがスピーディに勉強を進めるコツです。

 

で、2分考えてもほぼほぼ解けないと思うのです。典型題の解法を思いつくって、算数の得意な子でもなかなか難しいです。だからといって、この2分間は無駄ではないのです。この2分間の中で、自分の今持っている道具を色々試すことが応用力を鍛えることにつながりますし、そのあと解説を見て解法を理解するときの納得感がかなり上がります。場合の数の問題なら書き出しても良いでしょう。鶴亀算だって書き出せば解けます。速さの問題なら、グラフを書いたり線分図を書いたり。文章題なら表で情報を整理してみても良いでしょう。と、的外れでも良いので、まずは色々試してみる。ここで一度壁を感じることが大事なのです。どうしても解けない大きな壁があるように感じることが大事です。この後、この壁を壊す感覚を味わうことで、納得感が増し、記憶に残るためです。

 

で、2分間考えた後は、解説を見て、解法を理解します。解説を見れば、ああ確かにその解き方で解けるね、と納得できるものもあるでしょう。でも中には、どうしてその解き方で解けるのか、原理がわからないものも出てくると思います。そのときにうやむやにせず、付箋か何かを貼っておき、後で必ず先生に原理を聞くことが大切です。

原理を理解しているかどうかで、テストで少し典型題をひねった問題でも解けるかどうかが決まります。また原理を理解していると記憶のもちが驚くほど変わってきます。例えば原理を理解している問題は1ヶ月経っても覚えているが、原理を理解していなければ1週間で忘れる。それくらいの違いはあります。

 

まとめると、時間を区切って一度は手を動かして試行錯誤する、と。そして解法を身につけるときに原理をしっかり理解する、ということになります。ただ、この方法は、スピーディとはいえ、単純に解法を覚えまくるやり方よりは時間がかかります。苦手な範囲などでは、すべての典型題を身につける時間がなくなるケースも出てくるでしょう。そういう時は、典型題の中でも取り組むものを絞るべきです。中途半端に10題の典型題に取り組むより、絞って3題の典型題をしっかり身につけた方が点数になりますよ。

 

ということで、今回は算数の典型題の取り組み方を説明しました。

 

ーーーーーーーー

 

中学受験用の学校検索サイト「スクマ!」を運営しております。

schma.jp

スクマ!では、学校までの通学時間や乗換回数、塾別偏差値や進学実績など、様々な条件で学校を検索できるだけでなく、説明会のキャンセルを通知する機能など、学校選びを便利にする機能がたくさんあるので、是非一度使ってみてください。