家庭教師の雑感

家庭教師をしている横井が、受験や勉強に関するお役立ち情報を書きます。

ボリュームゾーンのかたが過去問をやり始める時期について

この記事の内容を音声で聞きたい方はこちらから。

voicy.jp

 

そう、実はVoicyさんから誘われまして、音声放送チャンネルVoicyでチャンネルを開設しました。ラジオみたいなものです。何か作業しながら、「ながら聞き」するのが人気あるそうです。

 

それでは本題。

今回は、ボリュームゾーンのかたが過去問をやり始める時期についてお話します。

(私の場合、ボリュームゾーンというと、四谷大塚偏差値50前後を指しています)

 

過去問着手は基礎が固まってから。ただし国語は例外

 

現在、8月終わり頃です。過去問をやり始める人がワラワラ出てくる時期ですね。過去問をやり始める時期って、正解は本当人それぞれなのです。ここでやってはいけないことが、周りを見てやり出している人がいるから、焦ってよく考えず自分もやり出す、ということ。まだ準備が整っていないのに過去問に早めに手を出しても、良いことってほとんどないですから。

 

では、準備とは何か、適切なタイミングとは何かですが、基本的には基礎まとめのテキストを終えてから、ということになります。基礎まとめのテキストとは日能研生だと算数の428問題(夏期講習テキストの共通問題に収録されています)、メモリーチェック。四谷大塚生やワセアカ生だと、四科のまとめ。ワセアカ生は算数の基礎固めにはバックアップテキストが良いと思います。Sapix生だとコアプラスなどですね。

 

これらの基礎まとめのテキストを終えてから過去問に着手するのが基本です。ここでは、「終える」とはどういうことかをもう少し具体的にします。ズバリ言いますと「正答率9割程度」かと思います。テキストの中からランダムに問題を取り出して、その正答率が9割になる状態ですね。そうなれば、そのテキストは終わったと判断して良いです。ただ、正答率9割と言いましたが、これも目安であって、正確には志望校の難易度や傾向によりけりです。

 

そこで、終わったかどうか判断するための考え方をご紹介します。

 

もし、基礎が固まってないのに過去問をやっても、「基礎のやり直しをしようね」になるだけなんですね。過去問は直し・復習まで含めると1回4科目合わせて5時間くらいかかります。5時間かけて得るものがそれだけでは、タイムパフォーマンス(以下タイパ)が悪い。だったらその5時間、基礎まとめテキストをバリバリ覚える方がはるかに点数に繋がるはずです。

判断基準ってこれなんです。5時間基礎まとめテキストをやるよりも、過去問演習した方が得るものが多そうだ、となったときに過去問演習に取り組むということです。

 

ここで気をつけていただきたいのが、過去問演習は基礎固めが終わってからと言いましたけど、国語はもうやり始めるのが良い、ということです。8月中にやり始めましょう。というのも、国語は学校によって、選択肢の選び方とか、記述の深さが結構違っていて、そこにアジャストしていくのに、毎週1年分解くとして、普通の子で3か月くらいかかります。1校につきそれだから、第2志望までしっかり対策するとなると、今くらいの時期からやり始めないと、入試に間に合わなくなる可能性があります。

 

また、まだ基礎が固まっていなくて、今は過去問をやらないにしても、今くらいの時期から親が過去問を見て、志望校に出る分野、出ない分野を把握しておけたらベストです。結構このくらいの時期から、人によっては塾の問題のレベルや傾向と、志望校の問題のレベルや傾向とが乖離してくる人がいます。

志望校にほぼ出ないことをやってもタイパは良くないので、そういう範囲は非常に軽くこなすにとどめるという、塾のカリキュラムでの濃淡をつけるのが大事です。

 

12月から過去問に本格着手した生徒の話

過去の指導事例をお話ししたいと思います。

ある生徒は、四谷大塚の偏差値45付近をうろうろしている感じで、基本的には勉強が嫌い。夏休みも全然勉強しない子でした。夏休みに四科のまとめを固めようと計画していましたが全然終わらず、9月時点では過去問をするには時期尚早でした。ですが、塾の方針で9月から過去問を解いて、毎週提出することになってしまいました。

9月から過去問演習を始めると、案の定、過去問の出来は合格点の半分も取れない状況で、直しの量が半端なかったです。加えて、知識系の問題は、ある程度全体の知識が身についていないと、過去問の直しをしても、断片的に知識を覚えるだけになって、周辺知識と結びつけて覚えるのが難しくなります。なので、直しをした割に身につくものは少なかったのです。それに、過去問演習と直しに時間を取られて通常のカリキュラムの消化も全然できなくなってしまいました。

 

そこで、親御様から塾に状況を説明してもらって、過去問を毎週解く課題はなしにしてもらい、空いた時間を基礎固めに回して、基礎固めを進めました。過去問をなんとかまともにできるようになったのは、なんと12月くらいでした。

そこから毎週2〜3年分くらいの過去問を解いて、どうにか入試に間に合ったという感じです。毎週過去問を2〜3年分やるとなると、塾のカリキュラムは全然消化できなくなりますが、もうそこは気にしませんでした。

 

これは極端な事例ですけど、それくらい遅いケースもある、ということで。

 

理想的には9月か10月くらいから始めるのが理想です。過去問を毎週1年分くらい解いて、塾のカリキュラムにもなんとかついていき、という感じですね。相当忙しくなりますけど、その忙しさは幸せなんですよね。理想的なペースで受験勉強を進められてるということなので。

 

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