家庭教師の雑感

家庭教師をしている横井が、受験や勉強に関するお役立ち情報を書きます。

小学生のころ日能研に通って、色々なものを犠牲にしながら灘を目指したが落ちた話

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私は小学生の頃、日能研に通っていました。その時の思い出話を通じて、中学受験をするために塾に通うべきかどうか、という問題を考えていきたいと思います。

 

結論から行ってしまえば、塾に通う必要は全くないと思っています。むしろ、通わない方がいいぐらいに思っています。

 

以下、私の経験を通じて、理由を書いていきます。

 

幼少期からコツコツと勉強していた

私の家庭は父母ともに教育熱心で、幼稚園年長ぐらいから、毎朝1時間、学校の宿題以外に勉強する習慣がありました。

1時間だけですし、新しいことを覚えるのが楽しく、無理矢理やらされていたという記憶は全然ないです。

最初はひらがなを覚えるドリルであったり、簡単な計算ドリルなどをやっていました。小学校に入ってからは低学年向けの問題集を毎朝1時間、国語と算数のみやっていました。

朝というのがよくて、夕方から友達とよく遊んでいたのですが、その時間を削られることはなかったので本当にストレスフリーに少しずつ勉強していました。

 

ある日、灘に行きたいと言い出した

小学校の時から毎日コツコツ勉強している人はあまりいないので、学校では成績はトップでした。

そんなある日、近所の小学生が六甲中という関西では上位の学校に入学したということで父母の間で話題になっていました。

子供ながらに、「いや、俺の方が勉強できるし」と思ったんでしょう。おもむろに「一番難しい学校ってどこなの?」と親に聞くと、「関西では灘中だよ」という答えが。

その瞬間に「僕は灘中に行く」と宣言しました。

 

塾を選ぶ

私はかなり本気だったので、それが親にも伝わったのだと思います。だったら塾に通った方が良い、家庭学習のみでは無理だよ、と言われ、「よし、じゃあ塾に連れてってくれ」というと、親は色々塾を調べたようでした。

中学受験の経験などない親でしたが、色々調べて、有名な塾は次の3つだとわかりました。

  • 希学園
  • 浜学園
  • 日能研

合格実績で見れば希学園や浜学園の方が優れていましたが、この2つの塾は先生がハチマキを巻いて生徒にハッパをかけるイメージが強く、「小学生のうちからそんなに必死にやらんでもいいでしょ」という父の判断のもと、日能研に行くことになりました。

 

入塾後、塾生活を楽しむ

ということで、日能研に入るために入塾テストを受けました。どうでもいいですが、隣の席で受けていた生徒が結構問題児で、テスト中なのに、机の上に四つん這いになって、さらに私の答案を覗き込んだ上、話しかけてきた記憶があります。

そんなこともありましたが、頑張って集中し、一番上のクラスに入ることができました。

入塾後勉強時間は確かに増えましたが、そんなにきついとは思わず、相変わらず友達とも遊ぶことがきたし、塾の友達もできたので、割と充実した生活を送れていたと思います。

それに、塾の先生は授業中にちょいちょいギャグを挟んでくれたりして、楽しみながら授業を受けれていた記憶があります。

 

さらに上の存在を知る

しかし、しばらくして、実は自分の上にもクラスがあることを知りました。その名も「灘特進」。灘を目指す者として、ここは入らないといけないなぁと思いました。

私が入塾した時の偏差値が60くらいで、入塾後は65前後をさまよっていたと思います。たまに調子いい時は70超える、みたいな感じです。

灘は確か70overだったので、このままだと受からないなぁと思っていました。

ですので灘特進に入って鍛えてもらいたい!と強く思っていました。

 

何度も灘特進の選抜テストに落ちる、からの朗報

3回ぐらい受けたのかな、とりあえず全部落ちて、遠い道のりだなぁと感じていました。塾から渡されたテキストは全部きっちりやっていたので何が問題なんだろうと、不思議な思いや悔しい思いやら複雑な心境でした。

しかしある日日能研から電話がかかってきて、「テストなしで灘特進に入れてあげる」とのことでした。

びっくりしました。そんなことがあるんだと。

その時は、私自身は嬉しくて嬉しくてしょうがないし、親も一緒に喜んでくれていたと思います。

 

灘特進メンバーのレベルの高さに驚愕

灘特進の1つ下のクラスではいつもトップだった自分が、灘特進では大抵下から1/3ぐらいの順位でした。世の中には上には上がいるもんだなぁと思いつつ、必死に勉強して追いついて見せるぞと気合いを入れました。これは6年生に上がってすぐだったと思います。そこからが地獄でした。

 

増える勉強時間、上がらない成績

その当時、日能研は浜学園を進学実績で追い抜こうと必死だったと思います。子供ながらに先生の暑苦しいまでの熱意は感じていました。

灘特進のクラスの授業時間は圧倒的に長く、土日も朝から晩まで塾にいたし、家に帰ってからも大量の宿題の消化のためにずっと勉強していました。特に算数に対する勉強時間が異常だったと思います。先生たちの合言葉は「算数を制するものは中学受験を制する」でしたね。

でも勉強時間は確かに増えているはずなのに、偏差値は全然上がらないんですよね。相変わらず65前後をうろちょろでした。

 

リレーから外れ、相思相愛だった女子に振られる

6年生になってからは勉強ばかりしていたので、学校生活に歪みが出てくるようになりました。自分的に一番象徴的だった出来事が、入学時からずっと選ばれていたリレーのメンバーに選ばれなかったことです。

あまりに運動の時間が減ったので、自分としても体がなまってるなぁとは思っていましたが、リレーのメンバーから外れたのは相当ショックでした。そして女子からの人気も落ち、、、子供ながらにこんな生活でいいのかなぁと思っていました。

また、告白などはしていなかったですが、とても仲良くしていた女の子がいて、お互いに好き同士なのは噂でわかっていました。でもある日噂で、どうやらその子は今別の男の子が好きらしい、という話を聞きました。とてもショックでしたが、考えてみれば当然、私はほとんど一緒に遊ばなくなったし、運動面での活躍できなくなりましたから。当然の結果なんですけど、残念でしたね。

 

灘に落ちる 

成績は上がらないまま、入試当日を迎えました。当然、落ちますよね。ただ、算数は合格者平均点以上とっていました。理科が悪く、足を引っ張りました。合計では、確か合格最低点まで数点でした。

不合格の知らせは親からレストランで知らされて、落ちているとは思っていたが、現実として突きつけられるとものすごく悔しくてその場で泣いてしまいました。

 

東大寺学園に落ちる

泣いてばかりはいられません。第二志望の東大寺学園を受けました。ただ、ここも厳しいと思っていました。なぜなら社会をほとんど勉強してこなかったからです。もともと社会のような暗記科目が嫌いだったことと、塾も、まずは算数だ!という方針でしたから、余計に勉強していませんでした。

そして東大寺学園にも落ちました。これも数点差だったと思います。算数にかけた時間の1割でも社会に当てていたら受かってたんじゃないかと、今なら思います。

 

洛南高等学校附属中学に受かる

洛南も危ないなと思っていました。社会があるからです。ですが、こちらは合格。社会が運よく知っているものばかり出ました。

 

以上の経験から

塾に通う必要はない

と思っています。受かっていたら塾ありがとう、になっていたのかもしれません笑

洛南に入学してから驚いたんですが、塾に通わずに合格した人がちらほらいるんですよね。驚くとともに、あんなに必死に頑張ってた自分はなんだったんだろうとちょっと悲しかったです。

塾は算数偏重なのはやはり問題だと思うし、塾の課題ばかりに追われて自分の弱点補強ができないのも問題だと思うんですよね。効率の良い勉強ではなかったなと思います。でもこういうのって一度は塾に通わないとわからないことですからね。仕方なかったと思います。塾に通わせてくれた親には感謝です。

 

以下塾に通う必要がない理由をつらつら書いていきます。

 

理由1:塾 の授業や宿題消化に時間を奪われて弱点補強ができなくなるから

これが大きな理由ですね。成績を伸ばす方法は2つあります。得意を伸ばす方法と苦手を潰す方法です。しかし得意を伸ばす方法は、自分のレベルがかなり高くなってくると、勉強時間の割に成績は伸びなくなってきます。

ですが苦手を潰す方法は簡単な問題を解いたり、暗記を繰り返すだけでいいので、少しの勉強時間で確実に効果が出ます。ですので、得意分野がこれ以上伸びづらいなと感じたらまずは苦手克服をすべきですが、塾に通っていると、塾の課題を優先してしまい、苦手克服に割く時間がなくなってしまうんですね。

ここが大きな問題です。

 

理由2:市販の参考書で十分勉強できるから

かといって、市販の参考書に有用なものがなければ、塾に行かずに勉強することはできません。私が日能研に通ってた頃は、市販の参考書にいいものがあるわけないと思い込んでいたのですが、探せばしっかりあるんですよね。そういう良著を使って勉強したあと、過去問演習すれば十分と感じます。

書籍紹介の記事はこちら→国語算数理科社会

 

理由3:偏差値が5程度の差の学校であれば学習環境は変わらないから

中学受験するのが良い理由は周りに勉強熱心な子供がいる環境を確保できるからだと思っています。そして私の経験上は、偏差値が5程度の違いの学校であれば、在校生の勉強に対する意識はさほど変わらないんですよね。そして、私は塾に行っても偏差値は5ぐらいしか上らなかったです。じゃあ行かなくてもよかったんじゃないか、と思ったりします。

 

理由4:大切な幼少期の時間はもっと自由に、勉強以外のことにも力を入れた方が将来の幅が広がると思うから

これも大きな理由ですね。大人になるにつれてどんどん可能性が狭まっていくのだから、小学生の段階は、絵を書いてみたりスポーツに打ち込んでみたり、旅行してみたり、勉強以外にいろんな世界をみて、自分がやりたい、なりたいと思える選択肢を少しでも増やしておくのが良いんではないかと思います。

イチローや本田圭佑のように、これだ!と思うのが見つかればそれに突き進んで良いとは思います。ただ、そういうものが見つかってないのに勉強に多くの時間を振るのは時期尚早かなと感じます。

 

以上、私が日能研に通ったことをベースに塾に行くべきか否かを考察しました。誰かの参考になれば幸いです。

 

 

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