家庭教師の雑感

家庭教師をしている横井が、受験や勉強に関するお役立ち情報を書きます。

外資コンサル的、現代文の読み方

久しぶりにちゃんと受験向けの記事を書きます。

現代文、特に評論文・論説文・説明的文章と言った論理的な文章の読み方を説明します。

ただ、社会人の方も色んな資料を読むことが多いと思うので、資料の読み方として参考になると思います。

 

私は元々現代文が苦手でしたが、前職のコンサルティング会社で膨大な量の資料を読む経験をしたあと、中学受験の国語や高校の現代文を解いてみると驚くほどスラスラ解けたのでびっくりしました。

 

学生の時は、文章を読んだ後に「あれ?結局この文章は何が言いたかったの?」という状態に陥ることが多かったですが、今ではそんなこともなくなりました。

 

その秘訣は、、

 

文章をピラミッド構造で理解する

 

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ピラミッド構造とは上の図のように、評論文の幹となる結論と理由を整理することです。まず筆者が伝えたい主張があります。そして、その主張を支える根拠、すなわち理由があります。

そして各理由には、さらにその理由が成立する根拠が複数述べられます。理由をどんどん深ぼっていくわけです。

そうすると下にいくほど、通常は箱の数が多くなり、ピラミッドのような構造が現れます。これが文章のピラミッド構造です。 

 

詳しくはこちらの本に書いてあります。経営コンサルタントのバイブルと言われている本です。現代文を読んだり書いたりするテクニックとしても使えます。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

 

  

常に縦(理由の深掘り)と横(理由の並列)の関係を意識する

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現代文では、筆者は主張に正当性を持たせるため、主張を支える理由を述べます。理由が多いほど正当性が高まるため、複数の理由を述べます。このように、ある主張に対して複数の理由を列挙することを横の関係と言います。

 

一方、ある主張に対して理由=根拠を述べた時に、さらに、その根拠がなぜ正しいと言えるのか、理由を述べることもあります。理由の理由ですね。このように、理由をさらに深ぼって、理由の理由を述べること、これを縦の関係と言います。

文章を読んでいる時、今筆者が横の関係を語ろうとしているのか、縦の関係を語ろうとしているのかを意識して読むと、文章をピラミッド構造に整理しやすくなります。

 

具体的に、私がどのように文章を読んでいるかを説明します。

文章を読んでいるときに、主張が目に入ると、「なぜこう言えるのか?」という疑問が浮かびます。筆者は、読者を文章に引き込ませたいので、自然とそのような疑問を持つ書き方をしています。ですので主張を読んだ時は、これから理由が述べられるなと心構えます。

読み進めると理由の1つ目が見つかるでしょう。すると、1段階、縦の関係が進んだなと意識します。ここからの文章の展開パターンは2種類あります。

この1つ目の理由をさらに深掘りして縦の関係を進めるパターンと、2つ目の理由を述べて横の関係を進めるパターンです。

どっちのパターンに入るのか、注意して読み進めます。1つ目の理由に対してさらに理由を述べ始めた場合は、縦の関係を進めたと意識し、2つ目の理由を述べ始めた場合は横の関係を進めたなと意識します。

ポイントは、次の展開は縦か横、どちらに進むのか常に意識しながら読むことです。

すると、実際に次の展開に入った時に、どちらの関係を進めているのか容易に気づくことができ、内容もスッと頭に入ってきます。

 

文章は縦の関係を進めたり、横の関係を進めたり、色々な方向に進みます。そんな時にピラミッド構造を意識していると、今何の話をしているのか、迷わずに済みます。

 

部分ごとに大意を把握したら流し読みする

文章を読むのがかなり遅い生徒がいました。じっくり観察すると、大意に関係ないところまでじっくり読んでいました。そういうところは流し読みして、問いで聞かれている場合のみ、後でじっくり読めばいいのです。

 

大意というのは、上の図で言う、結論や理由のことです。

例えば筆者が「夏はカレーを食べるべき」という主張をしている文章で、理由として「カレーは発汗を促し体温を低下させる。夏の暑い日には自然のクーラーとなる」という説明をしていたとします。ここで理由の1つ目は「カレーで体温下がるから」ということだとわかります。

そうすると、この1つ目の理由の理由が述べられるか、2つ目の理由が始まるまでサーっと読み飛ばします。途中で、研究結果や、筆者の体験談、特にどんなカレーが良いか、など書かれているかもしれません。そういう枝葉は流し読みします。

あくまで結論と理由という幹にこだわりましょう。

 

誤解しないで欲しいのは、枝葉を完全に読み飛ばすのではありません。流し読みです。書かれている項目は把握するが、具体的な内容までは把握しないということです。

カレーの話でいうと、ここには研究結果が書かれているな、ここには筆者の体験談が書いてある、ということは把握します。ですが、具体的な研究結果(50人にカレーを食べさせたところ食後10分で体温が0.2度低下したなど)や体験談の内容まで把握する必要はないということです。

 

細部に入り込みすぎると、今ピラミッド構造のどの部分の話をしているのか見失いがちです。主張と理由という幹のみを意識して拾っていくと、ピラミッド構造を頭の中で描きやすいです。 

 

以上、私が普段どんな風に文章を読んでいるか説明しました。評論文・説明文が苦手な方や、資料を理解するのが遅い方の参考になりますように。

 

 

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