家庭教師の雑感

家庭教師をしている横井が、受験や勉強に関するお役立ち情報を書きます。

やる気のない子供には、何も言わないのが一番良いという話

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子供に勉強してほしいと願っても、子供にはやる気がなく、全然勉強しなくて困っている家庭は多いです。むしろ、うちの子は自分から進んで勉強してくれるので助かるわ、なんていう家庭の方が珍しいでしょう。

 

やる気を出すために、保護者の方はあの手この手を考えると思います。色々なご家庭を見てきて、ダメなパターンはわかりました。ですが、親が何かをして子供が本当のやる気に芽生えたというケースに出会ったことはありません。

じゃあどうすれば良いのか、何もしなければ良いんです。

以下ダメな方法と私が提案する方法を説明していきます。

 

ダメな方法①ご褒美を与える

これは多くの保護者がやってしまいがちな方法です。例えば、平均点以上取れたらお小遣いアップとか、コンサートのチケット買ってあげるとか、1日中ゲームしてていいよ、とかです。

この方法のダメなところは短期的にしか効果がないというところです。ご褒美作戦で、長期的に成績が向上したケースに出会ったことがありません。

ご褒美に慣れてしまって、大してモチベーションに繋がらなくなるんですよね。仕事終わりのビールの最初の1杯はとても美味しいけれど、2杯目はそうでもないですよね?あれと同じことです。

 

ダメな方法②罰を与える

これもやりがちな方法です。平均点以下なら1ヶ月ゲーム禁止とか、お小遣いなし、とかですね。これも短期的にしか効果がないのです。慣れてしまいます。「まぁまたお小遣いなしだけど、しょうがないや」という気持ちになるんですね。それに家族内の不和の原因になりやすいです。子供がイライラしてしまいます。

 

ダメな方法③怒る、説教する

子供に勉強する大切さをわかってもらおうとするあまり、怒り口調になってしまったり、くどくどと説教することもよくないです。たまに勉強の大切さについて説くことは大事ですが、試験のたびに毎回だと子供も「わかってるよ・・・」となって馬耳東風です。

実際に子供もわかってますからね、勉強は将来の自分にとって大事ということぐらい。わかってることを何度も言われるとうっとおしいだけで、逆効果です。

勉強しようと思っていた時に、勉強しなさいと言われるとやりたくなくなりますよね。同じことだと思います。

 

では、子供のやる気を出すにはどうすれば良いか 

結局、自分から勉強が必要だと思ってもらうしかないんですよね。今まで全然勉強してこなかった子供が突然そんな思考にはならないので、長期的に取り組む必要があると思います。

私の兄は、中学受験をして中堅校(日能研偏差値50ちょいぐらいの学校)に入学しましたが、中高時代には全然勉強せずに、一浪して、それでも全然勉強せずに、名もない大学に落ちてやっと尻に火がつき、2ヶ月猛勉強して近畿大学に合格しました。

そういう人を見ていて思うのは、周りがどれだけ熱心に勉強するよう言っても無駄で、自分で気づかないとやる気って出ないんだな、ということです。

 

私たちにできることはいち早く自分で気づいてもらうことです。そこでこんな方法が良いんじゃないかと思っています。

 

提案①何も言うな

どれだけ成績が悪かろうが、志望校に届かなそうであろうが、何も言わないのが良いです。言っても響かないどころか、やる気をそいでしまいますからね。ただし、何も言わない作戦を始めるときに、1回宣言した方がいいと思います。「これまで何度も勉強しろと言ってきたが、全然伝わらないようなのでもう言わない。ただ勉強しないと困るのはあなただからそこらへんはよく考えてね。」と。

そして塾も家庭教師もやめさせてしまいましょう。勉強のやる気がないのにそんなものいらないでしょ?とでも言って。徹底的に、子供自身が望まなければ勉強する必要のない環境を整えるのが、この段階では大事かな、と思います。実際、やる気のないのに塾に行っても成績は上がらないので、お金と時間の無駄ですしね。

 

提案②子供が言ってくるまで待て

子供の成績は下がるかもしれません。ただ、どれだけ下がっても何も言わないでおきましょう。ただ、先生からの伝言があった場合はそのまま事実だけを伝えましょう。「このままだと進級できない可能性が高いらしいよ」などです。

そして、子供が目覚めるのをひたすら待ちます。もし目覚めなかったら・・・と思うでしょうが、子供を信じてひたすら待ちます。

ここで目覚めない子供もわずかながらいると思います。保護者が危機感を抱いているのに1年たっても目覚めない場合、私が提案する方法は諦めて、あまり効果はないですが、ダメな方法1〜3をやるしかないでしょう。

 

提案③簡単に与えるな

大抵の子供はこのままだとヤバイということを自覚すると思います。時間はかかるかもしれませんが。そうなるとこっちのもの。そして「塾に行きたい」や「参考書をかってほしい」と言ってくるかもしれません。しかし簡単に与えるのは良くないと思います。自由に勉強できる、教えてもらえるという環境の貴重さを学ばせた方が良いです。

差し迫った時に誰かが何とかしてくれる、という甘い思考を持ってしまいます。また、本当は貴重な環境なのに簡単に手に入ってしまったら、少し壁に当たっただけで簡単に手放してしまう恐れがあります。

ですので、「やる気を見せてくれたらね」とでも言って、課題を課すと良いと思います。例えば、「次のテストで順位を30番あげること」などです。

その課題を達成してから学習環境を整えてあげましょう。これは小さな成功体験を与えるという意味もあります。

 

提案④驚く

やる気を持って学習するようになったら驚いてあげると良いと思います。褒めるよりも驚いてあげた方が、子供の承認欲求が満たされると思います。

 

以上、やる気を出させるための方法でした。とはいえ、提案①の何も言うな、を実行するのはすごい怖いことだと思います。色んなご家庭に提案しても、実行した方はいないので、こんな考え方もあるんだと頭の片隅に置いておく程度に扱ってください。

 

 

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